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神保彰インタビュー
ライブレポート: ヒダじんぼ
ヒダノ修一メッセージ
(+Profile)
特集: ソロパフォーマンス & DTXを考えよう!

LIVE REPORT: ヒダじんぼ
1st March 2001, Tribute To The Love Generation

 

 

和と洋−打の饗宴、

聴く者の心と体を活性化するエネルギー、パッション

会場はヒダじんぼのビートに震えた・・・

 

昨年、秋結成、新世紀から本格的に始動した「ヒダじんぼ」。東京での初めてのライブがTribute To The Love Generationで行われた。和と洋−これらの"打の饗宴"は実に圧巻で、打のパワー、2人の繰り出す激しいビートの渦に圧倒され呑み込まれた。この夜、会場全体がヒダじんぼのビートに震えたのである。

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ステージに目をやると、向かって右にドラムセット、そして左には和太鼓セット、さらにドラムセットの右横には大太鼓が据えられている。観客のほとんどは和太鼓セットなるものを目にしたの初めての様子で、興味深げだ。いったいどんなパフォーマンスが繰り広げられるのか?いやがおうにも期待が高まる。

開演。舞台そでより神保彰が登場、ドラムロールが響き渡り、少しハネた感じの8ビートを刻む。そして一回りしたところで、ヒダノ修一は桶胴太鼓を叩きながら客席後方より登場!キレの良い神保のビートとヒダノの重厚な響き、それらが始めはからまるように、そして次第に同調し、激しさを増していく。

この曲「道草」は和太鼓とドラムスだけの"生音の超絶なユニゾンの世界"であるが、2種の打楽器・・・その音色の違いからか、両者がどれほど激しく叩いても決して"ぶつかり合う"ことがない。むしろお互いの音が重なりあえば合うほど、個々の叩きだす音の魅力が際立つようである。観客は2人の繰り出す激しいビートに圧倒され、打の響きに魅了される。1曲目フィニッシュの瞬間、会場からは感嘆とも驚きとも言える歓声があがった。

 

がらりと雰囲気がかわって、2曲目「サバンナ」はDTXを駆使しての曲。ゆったりとしたハーモニーが響き、神保がメロディーを叩きだす。ハーモニーが会場全体を包む中、ドラムがビートを刻み、ヒダノの和太鼓がこれに加わる。

 

これは以前ソロパフォーマンスでも聴いたことがある曲である。DTXを駆使しての曲にヒダノの和太鼓が加わることで、どう変わるのか?そういった興味ももって聴いていたのだが、和太鼓独特の心臓に響くような音、というか"振動"はドラムスだけでは出ない音域、空間に実にピッタリとはまり、全体の厚みとボリューム、そして迫力が増している。そしてトリガーパットから叩き出されるさまざまなメロディー、ハーモニー、ベース、バッキング等と打楽器音のバランスも非常に良くとられていて、まさに"2人だけのスーパーバンド"というにふさわしい。

MCをはさんで民謡メドレー3曲「まりと殿様 〜竹田の子守唄〜八木節」。小気味よいビートに乗っての「まりと殿様」ではDTXと和太鼓、交互でメロディーをとる場面があったのだが、和太鼓という楽器のピッチの幅の広さ、そして豊かな表現力をあらためて認識させられた。少しゆったりとしたテンポの"風変わりアレンジ"「竹田の子守唄」のあとは威勢のよい「八木節」。深く激しいビートが次第にテンポアップしていく。

 

 

 

2人の繰り出すビートは嵐のようで、打のパワーに圧倒される。やはり民謡となると、和太鼓のドコドコした響きがより一層効果的で、日本人魂をかきたてられるというか、心が躍る。 「海老天」。これも和太鼓とドラムスのみの構成である。和太鼓のリズムにドラムスが応える・・・といったイントロダクションから入り、交互に和太鼓 & ドラムス バリエーションを展開。リズムは激しさを増しながら、同調していく。神保彰のスピード感あふれる鋭角的なドラムサウンドとヒダノ修一の体全体で感じる和太鼓の振動・・・打のパワーに会場全体が呑み込まれていく。途中、神保彰のフットジャブでクラーベを刻みながらのドラムソロはダイナミック、そのドラミングには、いつもに増す凄まじさを感じた。

「エターニティ」。一転して、会場は柔らかいハーモニーに包まれる。チャルダッシュ行進曲を思わせるリズムに乗って、コケティッシュなメロディーが流れたあとは、またもや「和・洋、打の競宴」へ突入。美しいハーモニーが漂う中、表情豊かな2種の打楽器のサウンドを存分に堪能した。

ファーストステージ、ラストの曲「汗だく」。アラブ中近東のリズム、アクサックをモチーフにした曲(アクサックとは9/8拍子のリズム。12-12-12-123、と数えるという)。高音で機械的なメロディーパターンが鳴り、低音でへヴィな強力なリフが流れる。ヒダノの和太鼓がリフとユニゾンでベースラインを支えるように響き、規則的なビートを刻む神保のスネアが高らかに鳴る。アクサックの独特なリズムに乗って両者とも強力なビート、リズムバリエーションでぐいぐい押していく。

 

セカンドステージ最初は「Come Together」。中間部が邦楽の雰囲気で展開するアレンジだが、和太鼓の生音とヒダノの掛け声がより効果を増す。

「スイート・メレンゲ」。これまた強力なメレンゲのリズムに乗った曲。抽象的なメロディーラインが無作為に飛び出す。全編凄まじいリズムの応酬なのだが、その激しいリズムが両者によって完全なユニゾンで叩きだされていくのはくのは圧巻。

ゆったり、のんびりしたムードで始まる「レゲエ」(当然、レゲエのリズム)。ヒダノがさまざまな和楽器で効果音を出す。レゲエ+ラテン+和がミックスされたような不思議な展開を見せる。

「たわけ」(第一楽章、第四楽章)。第一楽章、静寂の中、和太鼓、ドラムが整然とゆっくりめのリズムを刻む。心落ち着く響きだ。始めのリズムパターンをキープしながら、途中、盛り上がりを見せ、やがて静かに終わる。 第四楽章は、一転してアップテンポで細かいリズム。やはりこのリズムをキープしながら、和太鼓ソロ、ドラムソロ、超絶ユニゾンを交え、一気に叩ききる。

 

「たわけ」の後は、ほっとするような民謡メドレー3曲「コキリコ節〜じょんがら節〜ソーラン節」。心に染み入るメロディーの「コキリコ節」、「じょんがら節」随所でヒダノの和太鼓が表情を加える。乗りの良い「ソーラン節」ヒダノの「どっこいしょー、どっこいしょー」という掛け声は観客の手拍子を誘い、会場を盛り上げる。

「ヒダじんぼ」。大太鼓とドラムスのアンサンブル・・・大太鼓の深い轟きはサウンド全体のダイナミクスを増していく。この上なく激しいリズムと音の応酬なのだが、単純にそのボリュームが上がっていくのではなく、そのサウンドはより深いところで響き、空間全体に広がるのを感じる。それを耳だけではなく体全体で受け止める。強力だが、どこまでも心地の良い響きである。和太鼓の響きは「人間にとって基本的なリズム、母親の胎内で聞いた最初の音、心臓の鼓動につながる・・・」という話を聞いたことがあるが、これだけ強力でありながら、あくまでも心地良く感じるのは"人間の生の根源に帰するもの"だからなのかもしれない。

 

 

アンコールはスティーヴィー・ワンダーの「Isn't she lovely」。ポップなメロディーラインだか、和太鼓が加わった"ヒダじんぼアレンジ"は全編を通してリズムが強調されている。 今年から本格的に活動を開始する「ヒダじんぼ」。彼等の強力で独創的な世界は、行く先々でオーディエンスを虜にするであろう。無限の可能性を秘めたこのスーパーバンドの今後が楽しみである。

 

 

Tribute To The Love Generation

今回、「ヒダじんぼ」の東京デビュー会場となったお台場TLGはとても洗練されたおしゃれなライブスポット。ほどよいキャパシティをもち、音響効果もすばらしい。

また、その日の出演者のための"オリジナルカクテル"や"おすすめメニュー"が用意され、各テーブルには出演者のサイン入りメニューシートが配られるなど、きめ細かいお店の心配りがうれしい。スタッフ一人ひとりのサービスも行き届いており、心地よいひと時が過ごせる空間である。

Tribute To The Love Generation Official Website URL: http://www.mediage.co.jp/TLG/

後ろ 左より、
牛つくね肉の和風煮込み
スペシャルカクテル"Hidajin"
(日本酒, ジン, クランベリー, グレナデン)

手前 左より、
紅鮭のウニバターソース焼き
鮪の刺身 和風香味ソース

 

<Set List>

1st Set:

1.道草
2.
サバンナ
3.
民謡メドレー
>>まりと殿様、竹田の子守唄
八木節

4.
海老天
5.
エターニティ
6.
汗だく

 

2nd Set:

1. Come Together
2.
スィート・メレンゲ
3.
レゲエ
4.
たわけ
5.
民謡メドレー
>>コキリコ節、じょんがら節
ソーラン節

6
.ヒダじんぼ

Encore) Isn't she lovely

 


Text & Photos by S.Hatano

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