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熱帯JAZZ楽団 〜冬の会〜
Sweet Basil 139, 6th December 2000

一歩足を踏み入れると、満席の場内(店内)は開演前の食事を楽しむ観客がいっぱい。2000年、いや今世紀を締めくくるLIVE、そしてちょっと早いクリスマス気分も手伝ってか、開演を待つ場内もなんとなくパーティー気分である。

いよいよ開演(ライブスタート)、ドラムロールに続いてブラスファンファーレが鳴り響く、その瞬間、会場は"熱帯"の空気に。パーカッションのたたき出すリズムに乗って、まずはLeyenda。わくわくするようなラテン気分にひたっていると、サックス、トロンボーン、トランペット、リズムセクション・・・早くもソロの競演だ。一曲目からいっきにボルテージは上がる。

ピアノのイントロが印象的なFiesta A La King、JAZZテイストを感じさせるサックスソロが光る。MCをはさんでダイナミックなRuinas。とにかく圧倒的なブラス・アンサンブル、強力なリズムそして最高のソロパフォーマンス。ラテンのリズムに乗って、まさに「妥協なし」といった感じでぐいぐい突き進んでいく。 がらりと雰囲気を変えてBegin The Beguine。カルロス菅野のヴォーカルがゆったりと聴かせる。途中でリズム変化をつけたり、随所にアクセントを持たせたアレンジが楽しい。

恒例の(?)メンバー紹介で会場全体がなごんだあとはDueno Del Solar。いかしたテーマを絶妙のバランスで奏でる。そしてパーカッションソロの競演。ファーストセット、ラストはサックスのロングトーンに続いて場内手拍子のKangaroo '98。こう次から次へとすごいソロを聴かされると本当に嬉しくなってしまう。ブラスソロ合戦が最高潮に達したあとは、高橋ゲタオの本領?発揮、ベースに載せて即興ヴォーカルで観客をあおりながら会場全体を盛り上げていく。途中でカルロス菅野&宮本大路のペアダンスの"おまけ"までついて場内大喜び!ベースソロのあと最高潮に達した熱帯は再びサックスロングトーンが響き渡る中、一気にファーストセット・フィナーレへ。

セカンドセットはカリブからのゲタ夫サンタの登場!サンタクロースの衣装にサングラス、タンパンといういでたちだ。メンバーも観客もおまつり気分で大賑わい。そのサンタさんは、遠目ではおもちゃのようにも見える小さいベースを持ち、そのままDear Mr.Jonesのカッコいいベースラインを弾き出す。こんなところでもエンターテインメントに徹している。

フルート&ピッコロソロもはさみドラマチックに展開するDear Mr.Jones、最高のサックスソロだ。次は名曲Obatala。ラテンならではの哀愁ただようメロディーライン。微妙にニュアンスを変えていく。ツボを得たソプラノサックスソロは圧巻。"Obatala"コーラスに続いてトロンボーンソロが聴かせる。2部メンバー紹介ではゲタ夫サンタ中心に大爆笑の盛り上がり。無事メンバー紹介終了のあとはカラメロガールズを迎えて、メレンゲにのせたSing Sing Sing、トロンボーンソロの応酬。ごきげんなトランペットソロ。この曲ではコーラスにゲスト、カラメロガールズが登場、ステージに花を添えた。

Epoca De Oroが熱演され華僑に達したあとは、待望の?宮本大路プレゼントコーナーだ。客席のテーブルの下に「当たりくじ」が隠されていて、当たったお客さんが次々前に。熱帯コンサートご招待などがプレゼントされたのだが、中でも一番ユニークだったのはステージ上にお客さんを上げてのEleven演奏。好きなメンバーの近くで演奏を聴いてもらおう、という試みだ。サービス精神旺盛というか、遊び心満載というか、演奏だけでなく全てに度肝を抜かれるバンドだ。

そうして始まったEleven、イントロに続いてサックスソロが横無尽にうねる。そして熱帯のメンバーたちがステージ脇で見つめる中、神保彰ドラムソロ。いつもながら彼のドラミングには驚かされる。いよいよラストナンバーGetaway、踊りだしそうなリズム、頂点めざし、どこまでも上りつめるブラス・アンサンブル、「締めくくり」とも言えるパーカッション&トランペットソロの応酬・・・最高に興奮する瞬間。そしてついに演奏はフィナーレへ。

まだまだ聴き足りない会場のコールに応えてのアンコールは彼らの原点、マンボメドレー。立て続けに3曲演奏される。「また来年!」とカルロス菅野。拍手はいつまでも鳴り止まなかった。 熱帯の熱気、その余韻の残る中、少し早めのクリスマスプレゼントをもらったような、得した気分で会場をあとにした。


<Set List>
1st Set:
1. Leyenda
2. Fiesta A La King
3. Ruinas
4. Begin The Beguine
5. Dueno Del Solar
6. Kangaroo '98

2nd Set:
1. Dear Mr.Jones
2. Obatala
3. Sing Sing Sing
4. Epoca De Oro
5. Eleven
6. Getaway
Encore) Mambo Medoley


Text by S.Hatano

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