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LIVE REPORT

熱帯倶楽部 -spirit or rhythm-

強力なリズム隊、スリリングなインプロヴィゼイション、そして圧倒的なCHAKAのヴォーカル!

"アルバム発売記念ライブ" 11st Dec. 2001 STB139


Member: カルロス菅野(Perc), 森村献(Pf), 野呂一生(Gt), 神保彰(Dr), 藤陵雅裕(Sax), 美座良彦(Perc), 菰淵樹一郎(Bass)

カルロス菅野インタビュー: 「熱帯倶楽部」&「spirit of rhythm」を語る はこちらをご覧ください

熱帯ファンならずとも心待ちにしていた、スーパープロジェクトspirit or rhythmの東京デビューライブ、満席状態のスイートベイジルはいつもに増して活気に満ちている。オーディエンスの期待に満ちたまなざしの中で、いよいよステージは幕を開けた。

オープニングは「Gotcha」(スタスキー&ハッチのテーマ)、インパクトのあるリフにのって藤陵雅裕がテーマを奏でる。今回のユニットで管は彼1人だが、エフェクターを効果的に使ってうまくヴォリューム感を出している。強力なリズム隊、カルロス菅野、美座良彦、神保彰が聴き応えのたっぷりのリズムバリエーションを展開。続いて「Mister. Magic」、ベース 菰淵樹一郎の渋いプレイが光る。この曲でも藤陵のソプラノサックスが抜けの良い音を響かせる。後半、心地よいラテンのリズムに乗って、藤陵と野呂一生が素晴らしいソロの応酬を聴かせた。

藤陵雅裕(Sax) 野呂一生(G)

カルロスのMCで和んだあとは、神保のオリジナル「Havana Struttin'」。どことなく哀愁の漂うメロディーが美しい。サックスがスペイシーにテーマを奏でる洒落たムードの曲。森村のピアノがよりムードを誘い、菰淵のウッドは本当に暖かい。この曲、藤陵の歌うようなソプラノサックスソロが心をゆさぶった。

森村 菰淵樹一郎

 

「Havana Struttin'」でゆったりとしたラテンのリズムを楽しんだあとは、野呂のオリジナル「Virtual Life」。アップテンポでパンチの効いたラテン・フュージョン。野呂がエッジの効いたギターワークを聴かせる。ソロパート、藤陵はエフェクターでユニークなユニゾン効果を出し、森村は多彩なリズムバリエーションを織り交ぜながら縦横無尽に弾きまくる。野呂はスーパーテクニック満載、凄まじいばかりのプレイで圧倒した。(この日、野呂は、YAMAHA ダブルネック 野呂一生オリジナルモデルを使用)

ファーストセットラストは森村のオリジナル「Vacilon」。"大騒ぎ"というタイトルそのまま、バタバタと慌しい動き回る様子が目に浮かぶような、賑やかでコミカルな曲。森村が大胆なタッチでピアノを鳴らし、菰淵はタイミングよいフレージングを聴かせた。野呂のギターがテーマのスチールドラムを、藤陵はワウ・トランペットを、それぞれ奏でながら交互に楽しいソロを展開。エンディングに向かって徐々にアップテンポになり、いよいよ "慌しさ" が増す中でフィニッシュ。

カルロス菅野(Conga) 神保彰(D) 美座良彦(Tim.)

 

セカンドセットはカルロスのオリジナル「 Desert Sunset」でスタート。大きく広がる乾いた平原を思わせるような曲。憂いを秘めたサックスが凛としたメロディーラインを奏でる。カルロスのコンガが心地よく響く。

そしてセカンド2曲目、いよいよCHAKAの登場!ラテンテイストたっぷりの「Tom's Diner」をソウルフルに歌いあげる。彼女の歌はよけいな飾りが無く、真っすぐ心に響いてくる。この「Tom's Diner」はアレンジがまた見事で、オリジナルよりも好きになってしまった。

「Pastime Paradise」はカルロスが「今の時代にふさわしいテーマとして、取り上げたかった」という。野呂のギターが淡々と刻む中、CHAKAが独特なハスキーヴォイスで丁寧に語りかける。感動的なまでに心に残る1曲。

CHAKA(Vo)

 

「Pastime Paradise」の余韻の残る中、「Somebody Else's Guy」はパンチの効いたファンキーなダンスナンバー。ヴォリューム感たっぷりに歌い上げる。場内一体となって最高のノリで盛り上がる。圧倒的な実力と存在感であっという間にオーディエンスの心をつかんでしまう。やっぱりCHAKAはすごいヴォーカリストだ。

CHAKAのヴォーカルを堪能した後は、どっしりとしたリフラインが印象的な「Savanna」、野呂のアドリブプレイはいよいよ波にのり自由自在なフレーズをスピーディに展開。3人のリズム隊が入り乱れてのリズムアンサンブルは圧巻。さらに神保はパワフルかつ美しいまでにバランスとれた超絶ストロークを披露。

 

このセットラストは「Another Part of Me」。ロック・スピリッツあふれるラテンアレンジがカッコいい!藤陵のサックスが快調に飛ばし、森村は次々と大胆で奇想天外なパッセージを繰り出す。野呂のギターソロを受けてよりスピード感が増し、大盛り上がりでエンディング!

アンコールはCHAKAをフィーチャーした「Lady Marmalade」。イントロから場内手拍子、最高に良い雰囲気だ。パワフルなCHAKAのヴォーカルに乗せられるように場内全体がゆれた。藤陵はサックスソロで客席乱入!お客さんも大喜び、さらに熱気、テンションが高まる中でこの日のステージは幕となった。

spirit or rhythm・・・パワー、テクニック、表現力、全てが一体となって全編見事なラテンアレンジの素晴らしいエンターテインメントを体験させてくれる。まだまだスタートしたばかりのユニットだけに、これからの展開がものすごく楽しみである。

 

 

---- SET LIST --

1st set
1. Gotcha 〜Theme from Starsky & Hutch(Tom Scott)
2. Mister. Magic(Macdonald-Salter)
3. Havana Struttin'(Akira Jim bo)
4. Virtual Life (Issei Noro) * アルバム未収録
5. Vacilon(Ken Morimura)

2nd set
1. Desert Sunset(Calros Kanno)
2. Tom's Diner(Suzanne Vega)
3. Pastime Paradise(Stevie Wonder)
4. Somebody Else's Guy(Jocelyn Brown) * アルバム未収録
5. Savanna(Sanborn-Patterson)
6. Another Part of Me(Michael Jackson)

Enc. Lady Marmalade(Crese-Nolan)

All Arranged by Ken Morimura ( expect 1st-4, 2nd-4)

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Report & Photos by A.Matsuzaka



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