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>> 「オルガンを鳴らす・・・どうすればオルガンは良い音で鳴るのか? 」
(ハモンド+レスリーを徹底解剖,
*KANKAWA & 大高清美 使用機材紹介 ほか)

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アーティスト対談 Vol.1:KANKAWA & 大高清美

 

新たなスタイルを追求し、オルガンサウンドを進化させ続けているKANKAWA、そして、そのパワーとオリジナリティーで新風を巻き起こした新進オルガンプレイヤー大高清美。オルガン界をリードする2人が出会い、語った。

場所 & 時間:4月30日、KANKAWA プロデュース「上田正樹 meets KANKAWA“TRIBUTE TO KING ” 」(お台場TLGにて)

 

機材・・・アンプが大事

KANKAWA:
今日のセットはCX-3にベースアンプとギターアンプ。今日はこういう感じやねん。ちょっとちゃうや、いつもの俺のセットと、だから、いつもよりもっと小さいベースアンプと小さいギターアンプ。

大高:
真空管ですか?やっぱり?

KANKAWA:
2台とも真空管

大高:
私もアンプに凄く苦戦していて、、、

KANKAWA:
アンプは大事やねえ。

大高:
大事ですよねえ。ずっとレスリー運んでいたんですけど・・・

KANKAWA :
今、楽器は何弾いてんの?

大高:
今、VK(Roland VK-77)です。

KANKAWA:
77!77はねえ。一時ハマったね。良いと思って。VK-77をどのように鳴らしたら「良い音が出るか」言うのを2泊3日でやったことがある。いろんなアンプ試して・・・ だけど今回CX-3は目からうろこやね。今、ヤマハのElx-1m(エレクトーン)を2YAMAHA、2レスリー(122RD)、ベースアンプで鳴らして、Voceの音源モジュールとMIDIドローバー、というセットで弾いてる。それとCX-3。今度出すアルバムはその音が半分くらいやね。非常にカンに障る音やね。(笑)そーらB3-みたいに甘くないから、それをMIDIドローバーでグワーいってるから・・・だからオルガンって面白いよ、もっともっと弾いたらいいねん、皆。

大高:
オルガンがこれだけ流行っているのに、オルガンを弾く人口がなかなか増えない、っていうのは「やっぱりB3は家に置けない」と言うのがあるじゃないですか?「オルガン」て言ったら、やっぱり「B3」なんですけど、「オルガンやるには、やっぱB3だよね」って言っちゃったら、もうそこから発展しないから・・・今、メーカーさんが一生懸命開発しているオルガンをいかに使いやすくするか、良い音で良い音楽ができるか、そういうことを考えてやっていきたいと思って、でアンプにね、結構今、苦戦しているんですよ。

KANKAWA:
楽器によってアンプとの相性っていうのがあるんだよね。

大高:
ありますよねえ。

KANKAWA:
今回、ヤマハのエレクトーンを使うにあたっては、6ヵ月くらいかけた。「エレクトーンにレスリーを通す」ということが無いわけやから、作業がものすごく難しかった。

大高:
やっぱり、コネクターとか、いろいろ作ったんですか?

KANKAWA:
そのために作った。ものすごい時間と金のかかる作業やったねえ。だけど変わるよね、アンプでね。で、レスリーもいろいろあるんや。だから、それも難しいな。凝りだしたらキリないけど。(笑)

大高:
ほんとですねえ。(笑)

KANKAWA:
だから一番簡単なのは、こういう小っちゃいオルガン(CX-3)にギターアンプとベースアンプをつないだら、一番お金かからずに、目新しいちゃうんかな。まあ、だけど気持ちが大事やけどな。

 

大高さんのプレイスタイル・・・オリジナルの強み

KANKAWA:
いろいろなオルガンプレイヤー聴くけどね。あなたはおもろいわ。(笑)

大高:
そうですか?(笑)


KANKAWA:
まず音色がB-3サウンドじゃない、っていうこと。それだけでも嬉しい。それが一番や。それとオリジナルを演奏している。

大高:
ありがとうございます!うれしいなあ・・・

KANKAWA:
それは大事。すごいもう基本やと思うねん。どこをスタートにするかや。コピーからスタートしたら百年たってもコピーや。オリジナルからスタートした人間は強い。

大高:
私の今までの人生の中でオルガンのアーティストをものすごくコピーして研究したっていう人生よりも、ギターやサックスを研究した人生の方が、やっぱ長いんですよね。

KANKAWA:
俺なんかは、こういうふうに悟って、こんな風な演奏が出来るまで、実はすごい回り道をしている。オルガン弾いて長いから、19歳からやってきて、やっと新しいサウンドを作れたのは40歳くらいからやね。スタートは。だから究極の回り道してるの。 だからあえて皆に言うわけ。俺がやってきたこと・・・俺は全部やってきた、ジャズオルガンと言われるものの勉強は。それで今のスタートがあるんだけど、そんなことしたって無駄や。それは皆言うよ、「古いスタイルをある程度勉強して、それからスタートしなさい」・・・だけどそんなことしたら今の僕にまでくるまで30年かかる。そんなことしたら人生損!

それでねえ、新しいことを、自分の感性を信じてプレイを始めていくなかで、「あ、ジミースミスはこんなプレイしてるなあ」、「若いジョン・ノベルもこんなん・・・」「ジャック・マクダビイはこんなん」・・・だんだんと入ってくるわけ。その中で消化していったほうが、おもろい!

あなたがね、一生懸命やっていることは、すごい良いことやと思うね。女性が今すごく元気やから、きっとあなたの事を見て、「わたしもやりたい」という人が出てきてくれるんちゃうかな。

大高:
出てきてくれると良いんですけどねえ。

KANKAWA:
それが一番ちゃうかなあ。



オルガンがバンドリーダーになると、バンドは変わる

オルガンがバンドリーダーになるとバンドは変わる

KANKAWA:
オルガンはええ!ベース(ペダル)あるやろ。JAMっていうのは100%曲がないんやで。メロディーもリズムも、全部、即興演奏する。イメージで作っていくわけ、みんなが、俺のバンドの場合はね。その時にベースラインを提示してあげるの。しばらくやるの、自分でベースを。それでバンドを引っ張っていって、で、ベースプレイヤーがそれを引きつぐの。それができるのはオルガンだけ、バンド引っ張れるのは。 自分が今、新しいJAMバンドやりだして、ヒップホップやりだして・・・オルガンがバンドリーダーになったときに(なると)、バンドは変わるよ。

大高:
もう、どうにでもなる楽器なんですよね。バンドにも入れるし、一人でも演奏できるし、いろんなものを引っ張っていけるし、スゴイ楽器なんですけど・・・

KANKAWA:
おもろい楽器や、どうにでもなるよ、バンドが!急にだから、世界が急に変えられるやろ、オルガンプレイヤー一人で。だからおもろいねんけどねえ。そういう風にオルガンを使っている人が少ないね。キーボードプレイヤーのように・・・

大高:
・・・
使ってるか、もしくはジミー・スミスのように、スタンダードな演奏するか、、、

KANKAWA:
どっちかなやね。

大高:
ほんと、そうなんですよね。

 

ミュージシャンの生活のこと、そして今、起こりつつある新しいJAZZムーブメント・・・

KANKAWA:
ミュージシャンの生活のこともね、我々先輩が考えていってあげないとねえ。若い人はやってくれへんわ、この時代に、それもすごい大事やと思うよ。みんなの生活をなんとか確保せないかん。ニューヨークみたいにユニオンがないから。いやあ、ちゃんとしてやらないかんよ。だって25年前とギャラが下がってんのやから。25年前で、クラブで演奏したら、一人2万円。今、チャージバックやろ。まあ、お店も大変なんだろうけど・・・。だから、ミュージシャン同士が結束して、やっていかないと。なかなか、やらんわな、JAZZは。

大高:
現に、“育っていける場所”が本当にないですからねえ。

KANKAWA:
下積みがあって、刺激を先輩から貰って、どんどんうまくなって競争していく、という、、、今、無いやね。 ただね、今新しいバンド組んで、平均年齢23歳やけど、もう必死やね。がんばってやっているけど、ギャラが500円て聞いて、びっくりした。「これが現実や」と言われたよ。それを聞いて、なんとかしてやらないかん、みんなで。JAZZを取り巻く流通、そしてメディアの状況が悪い、これの改善。それとユニオンのようなもので、みんなで助け合っていく、これをなんとかしないと難しいね・・・

ただ今度、TLGでプロデュースする Black Bottom Brass Band と Yellow Cards Jazz Orchestra・・・2つのオーケストラを使って、50%即興演奏しようと思ってる。俺がオルガンでテーマを弾いて、30人のオーケストラがフォローする。どうなるかわからんよ。だけど、そういうチャレンジみたいなことを、やっていくつもり・・・若者たちっていうのは、しゃべったり、音楽の話して飲んだら、すごい熱い。アルバムも2万枚くらい売れてるよ、今。

そういうムーブメントみたいのが、少しずつ起こってきている。 PEZZ っていうスイング系のクラブジャズビッグバンドもお客さんを1000人くらい呼べる。 さっき暗い話ばかりしたけれども、20代ちょっとくらいの間ではJAZZって、ちょっとキテるよ。きてる、きてる!ジャズをヴィジュアルとして捉えてカッコええ。で、お客さんも若い男の子が7割くらい、みんなジャズ聴いて、ウワー言っとるから・・・ジャズは1年くらい前から、急にキタよ。ファンクでビッグバンド。で、フリー。

それと、これからは安く、50〜70人くらいのBASHのような店で「ハッピーに盛り上げて行く!」ということをやろうかな、と思っている! BASHでやるときは「みんな商売ヌキで」と。そのかわりみんなでハッピーにして、みんな家から料理持ちこんで来たり、そんな風にして、「JAZZを盛り上げていこう」というふうに今、提案してんね。BASHをオルガンJAZZ、オルガンJAMのメッカにしたい。

大高:
すばらしいですね。

KANKAWA:
そのかわり、普通の営業時間以外で、こう仲間うちで「どんどん盛り上げていく」と。「週末夜中BASHに行ったら、なにかあるぞ!」、そういうふうにもっていこうかなあ、と思ってるんだ。

 

KANKAWAさんのレコーディングについて

DRIVE・・・

大高:
オルガンはどのように録音したんですか?

KANKAWA:
このアルバムのオルガンの録音は、ハモンドオルガンの、フュージョンの模範になるやろ思うね。マイクね、16本使っている。1つのレスリーに。

大高:
どうやって立ててるんですか?

KANKAWA:アレックというパット・メセニーのエンジニア。彼が凝って凝って、どのようにしたらオルガンの音を、そのままきれいに録れるか?ピンマイク・・・1メートル、3メートル、5メートル・・・天井のすごく高いスタジオで・・・

大高:
レスリーは1台?

KANKAWA: 2台。

大高:
それを隔離した部屋に入れて?で、その部屋中にマイクたてると・・・

KANKAWA:
だから遠い音とったのね、近い音と・・・それを繊細にとると「こんな音になる」ということが一番だったかな、今の僕のスタイルではないんだけど。オルガンは歪んだほうが良いという人も多くて、特にその代表が僕なのかもわからんのやけども、だけど、そうは言うものの、オルガンの本当のきれいな音を知っているから、歪むことがおもしろいわけで、だからそういう意味じゃ、「こんなにきれいな音」ていうのは、あってもいいのんちゃうかな、と思うてる。

大高:
最初、一曲目からして、「あ、オルガンの音が違う」っていうのがすごく印象的で、やっぱり聴いてしまうんですよね、もうそれだけで、ずっと・・・


K122・・・

KANKAWA:
ミックスダウン、2日前に済んだやつ。K122っていうのだけど。もうそれしか頭にないねえ。それはハモンドB3をね、たったマイク4本でとってるの。で、音が良い!これは不思議なことだったね、今回は!B-3が目の前で鳴っとるの。良かったのは、レコーディングに2ヵ月かけたこと。2ヵ月間ずーっと、オルガン置きっぱなし。これで毎日30分から1時間、気が向いたら入いんねん、スタジオに。で、テープ回しっぱなしやから・・・で、とった贅沢なアルバムなんやけど。 (詳しくはK122 Interview & Live Report へ)

それは俺にとってはオルガンの音がベストやねん。ロー・ハイ・ミックス・ダウンで・・・もう信じられないくらいロー・ハイ・ミックスかけたから。オルガンはアコースティックで、ベースとドラムはロー・ハイにしたから。面白いもんやな、オルガンのレコーディングって、マイクセッティングでガラッと変わる。

大高:
全然違いますよね、本当に。

KANKAWA:
今回は、歪ましてはない。普通に弾いて歪んでいる。だからそれがベストかな。あとはコルグのCX-3を使ってる。あと今、ディレイに凝ってる。それとね、初めてオルガンの足だけで1曲録った。これもええ。僕は右足で上のほう弾くの。

大高:
いわゆる“麦踏み奏法”(両足を使って踏む奏法)ですね。

KANKAWA: これは、生まれて初めて録ったねん。ベースとデュエットしたの。この音っていうのはさあ、これは感動したね。オルガンってこんな音があるんか、思ったね。あれ、オルガンの音とは、誰も知らんよ。きれい!すごいきれい!だから、まだまだオルガンの可能性というのはあるよねえ。

大高: 足鍵盤を足鍵盤とみなさない、演奏法とかあって、面白いと思いますよね。

KANKAWA:
俺、たまたま酔っ払って、何もやることなくなってきたから、やったら、おもろい!

大高:
そうですよね。「鍵盤3つある」って捉えれば、もういろんなことができるかもしれませんね。

 

オルガンのメンテナンス、運搬の苦労

大高:
DRIVEのオルガンはレンタルですか?

KANKAWA:
僕のやと思うわ。

大高:
あれね、横にキャスターが付いていたでしょ?

KANKAWA:
あ、俺の俺の!

大高:
あれはどういうこと?立てて運んでるんですか?

KANKAWA:
あれはオルガンを4つに切って、運んでる。上と下と足と横も切って・・・。みな、それぞれハードケースに入れて、運んでる。

大高:
ツアーの時もそのオルガンでやってたんですか?

KANKAWA:
ずっと楽器を借りてたの、そしたらやっぱりよくない、それで自前にした。

大高:
全然、状態が違いますよね、楽器によって。

KANKAWA:
ただ痛む、自分の楽器は痛むわ。

大高:
レスリーをずっと運んでたら、やっぱり真空管やられちゃって、でもう、取り替えたりとか、、、

KANKAWA:
真空管はもう6ヵ月に1回取り替えてるよ。

大高:
結構しますよね。

KANKAWA:
高い、高い。アメリカで安いの買って、で送ってもらうようにしてる。

大高:
なるほどねえ。

KANKAWA:
あと。で、ハードケースつけなあかんよ。ケースにつけて、運ばないといっぺんでダメになってしまう。

大高:
一回、心臓部がおかしくなったことあって、、、音でなくなって、、、

KANKAWA:
B-3も年に2、3回こわれるよ。1回ツアー行くと、こわれるから。

大高:
そうですよねえ。

KANKAWA:
鍵盤がしょっちゅう割れる。

大高:
KANKAWAさん、豪快ですから!(笑)

KANKAWA:
鍵盤は高い!鍵盤は大変。で、われたあとが、ツアーの途中やと大変、危ない危ない。で、しょうがないから、ここに(指)テープ巻いて・・・もう命がけやがな。今はVK77だけ?

大高:
そうですね。それで音作りは、ちょっとやろうかなあ、と。

KANKAWA:
B-3は全然弾かないの?

大高:
家ではB3弾いているんです。

KANKAWA:
B-3も弾いたらええがな。

大高:
まず、運ぶのが難題なのと。あと、なんでVKを使うかというと、クリーンな音色の曲から、ディストーションかけた曲にいくときに、B-3だと大変じゃないですか?

KANKAWA:
俺のはMIDI B-3やねん。ワウペダルついとるし、一応フル装備やねん。

大高:
素晴らしい!(笑)

KANKAWA:
とりあえず、なんでもなるよ。オーバードライブ、ビューンっていくし、デジタルリバーブかかるし。あれは簡単につくよ、家ではヘッドフォーンだし。

大高:
そう、ヘッドフォーン使えるのはいいですよね。私のはなんにも手を加えてないんですよ。ヘッドフォーンジャックも何にも無いし。

KANKAWA:
俺のは一台はそのまんま。アンティークのようにかわいがってる。それは弾かない。飾ってる。きれいに磨いて。ひとつはもうツアー用で、ボロボロやもう。

大高:
もう一台あれば、いろんな改造はしてみたいんですよね。

KANKAWA: B3はいくら買っても値打ちあるよ。あれは。買うんなら俺もうB3じゃなくてもいい。C-3でいい。C-3のほうが半額だから。で音は一緒や。逆にねえ、今なんかC-3のほうがカッコいいような気がする。C-3ステージで揺らしたらおもしろい。ジョンロードや、昔の。ルックスええよ。

 

大高さんの3枚目

KANKAWA:
今年はなんかおもしろい企画ないの?

大高:
3枚目を作るんです。詳細はまだちょっとオフレコなんですが、オルガントリオ(w/ D, B)で、でもジャズはやりませんよ!(笑)今年はそれに全力をかたむけようかと思って。

 

オルガン一本・・・オルガンの魅力、可能性

KANKAWA:
ハモンドB-3オルガン、というだけで、どんなミュージシャンもみんな目の色がぱっと変わる。すごい。オルガンプレイヤーの手ってオルガンマジックや。

大高:
本当におんなじ鍵盤楽器ってみられがちですけど、ピアノとか、オルガンとか、シンセ・・・全く別楽器なんですよね。だから鍵盤、ピアノを弾ける人がオルガン弾けるかっていうと、やっぱり弾けないと思う。奏法だって全然違うわけだし、本物である、本物を知り尽くしている人が弾くのと、やっぱり違う。B-3にしても、B-3がもっともっと面白い楽器だ、っていうのを、私たちも伝えていかなきゃいけないし、研究しなきゃいけない。

KANKAWA:
尺八とテナーサックス以上に違う・・・。全く違う・・・

大高:
違うと思いますね。

KANKAWA:
だから当然なんや。オルガン弾きが、なんやかんや、いろんな楽器を弾くというのは、信じられない・・・

大高:
私がライブでシンセやピアノを一切弾いていない理由は、そこなんですよ。やっぱりオルガンでできることが、まだまだあるのに、なんで他の楽器を弾くのかな?って。

KANKAWA:
まだまだあるよ。まだまだ・・・

大高:
まだまだ、ありますよね。

KANKAWA:
せいぜい60%の開発力やと思う、オルガンの。まだまだ未知たる楽器なんやねん。

大高:
それは楽器の問題じゃなくて、奏者側の使い方の問題なんですよね。

KANKAWA:
楽器はしっかりしとるの。われわれオルガンプレイヤーが、世界中の・・あかんのや。

大高:
もっともっと、なんかね、あるんじゃないかと思う。

KANKAWA:
年に4、5回、新しい奏法を発見するね。今、メロディーを低音部で弾いたり・・・たまに神様のインスピレーションがくるわけやな、それをキャッチして、やってるつもりやけれども、まだまだいけるで、これは。奇想天外な。あとアンプ。アンプの相性を、もっと変えると面白いよね。

大高:
やっぱりサウンドっていう、音楽のサウンドっていう意味でも、音色にかぎらず、DRIVEが「へえ、すごい」って思ったのは、ちょっとブラジルペイストが入っていたりしますよね。今風のサウンドでブラジルのテイストが入った、オルガンサウンドって、そういえば聴いたことないかもしれない、って思って、そういう可能性もあるよなあ、と思って・・・

KANKAWA:
「DRIVE」のバックコーラスしているのは、パットメセニーのところでリードボーカルしているシンガー。ボーカルとオルガンって好きやねん。これもまだ可能性あるんちゃう?

大高:
・・そういう、サウンド的な意味でも、もっともっとあるんじゃないかなあ、と思う。

KANKAWA: まだまだ、それと、最後がラニー・ヤングや。ラニー・ヤングをこえるオルガンプレイヤーはまだ聴いたことが無い。まあ難しいや、我々の生がある限り、あれを超えるのは難しい・・・で、フュージョンのオルガンプレイヤーって、いてない。ロックは、いてたけど昔で終わってしまった。誰もこの何十年間、オルガンで革命みたいなことはできてないな。それは一つはねえ、ラニー・ヤングがすごすぎると思う。あとひとつはね、シンセサイザーが流行ったから、みんながオルガン弾かなくなった。 だけどこうしてねえ、今オルガンブームやから、ブームになると、オルガン弾く人も増えてくると思うから、そうなってくると、第二、第三のメデスキーみたいな人が、どんどん出てくるんちゃうかなあ?

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「俺、あれやねえ。日本のオルガンプレイヤーとしゃべるのは初めてやねえ・・・」とはこの日のKANKAWAさんの第一声。初対面のお2人でしたが、会ってすぐに意気投合!TLGでのLIVE終了後も話は尽きず、大いに盛り上がった一日でした。今度はステージで「2人のオルガンバトル」が聴ける日も近い?などと予感させる対談でした。(2001.4.30)

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Interview & Photos by S.HATANO

 

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