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Special Report
第16回 東京JAZZ
16th TOKYO Jazz FESTIVAL Official Site
9/2 daytime -THE JAZZ STREAM
9/2 Evening -FROM SHIBUYA TO THE WORLD
9/3 daytime -CELEBRATION!
9/3 Evening -JAZZ SHOWER
Sep. 2 (Sat) Evening
FROM SHIBUYA TO THE WORLD
H ZETTRIO with special guest 野宮真貴
アル・ディ・メオラ
リー・リトナー GUITAR SUMMIT with パット・マルティーノ、
デイヴ・グルーシン、デイヴ・ウェックル、 トム・ケネディ
H ZETTRIO with special guest 野宮真貴
「モントルー・ジャズ・フェスティバル」をはじめとする国内外の大型フェスに出演し、シングル全てがiTunesジャズランキングで首位獲得というH ZETTRIOは「大人も子どもも"笑って踊れる"」をテーマに掲げるバンドで、親しみやすいステージで人気のユニット。
ノリのよいビートとキャッチーなテーマ、そして観客を楽しませるステージングで会場を沸かせた。
手拍子にのり、ステップを踏みながら弾き、叩く・・・激しいビートにのって一気に駆け抜けたステージだったが、一転,静かな雰囲気のなかで美しいバラードにアレンジされて演奏した「あしたのワルツ(アフラックCMのテーマ曲)」(作曲 H ZETT M)が印象的だった。
今回のTOKYO JAZZは「東京JAZZ 渋谷移転記念」のイベントでもある。それにちなみ、この日のスペシャルゲストは”元祖渋谷系の女王” 元ピチカート・ファイブの三代目ヴォーカリスト野宮真貴。音楽シーンだけでなく、ナレーター、モデル、デザイナーなど、幅広い分野で活躍している。
この日のステージではH ZETTRIO風にアレンジしたピチカート・ファイブの代表曲「東京は夜の7時」やスタンダードナンバーなどを披露。バンドと息の合ったパフォーマンスでステージに華をそえた。
Members:
H ZETT M(pf/青鼻),H ZETT NIRE(b/赤鼻),H ZETT KOU(ds/銀鼻),野宮真貴(vo)
SET LIST
1. SEVEN
2. Beautiful Flight
3. NEXT STEP
4. あしたのワルツ
5. Dancing in the mood
6. Fiesta
7.東京は夜の7時(w/ 野宮真貴)
8. 男と女(w/ 野宮真貴)
9. スイートソウルレビュー(w/ 野宮真貴)
10. DERBY〜栄光の道しるべ〜(w/ 野宮真貴)
11. Wonderful Flight
レポート:Asako Matsuzaka
アル・ディ・メオラ
- ELEGANT GYPSY 40TH ANNIVERSARY ELECTRIC TOUR -
"Elegant Gypsy 40th Anniversary Electric Tour"と冠したステージにアル・ディ・メオラが登場。
冒頭にギターとエフェクターをつなぐシールドに接触不良があったようで、珍しくステージ上にスタ ンバイしているギター・テックがすぐさま交換。緩急自在のディ・メオラ・ワールドに突入する。
1曲目は'91年のアルバム"Kiss My Axe"から「One Night Last June」、続いてベースのアルペジオで始まる"Elegant Gypsy"のオープニング曲「Flight Over Rio」では導入部のキーボードとギターのハー モニーがなんとも格好良い。パーカッションが早いリズムを刻み始めるとバイオリンとギターのユニ ゾンからジャン・リュック・ポンティーばりのバイオリン・ソロになだれ込む。それをドライブする パーカッションとドラムス、ベースの高速プレイは聞き応え充分だ。
3曲目の「Babylon」はミディアム・テンポの曲だが速く聞こえるのはドラムスのライドの刻みの所為だろうか。ここでもベース、バイオリン、キーボードとギターのユニゾンが冴え渡る。それにしてもディ・メオラのギターの速弾き は健在だ。余談だが、以前あるギター・ショップにディ・メオラが立ち寄ったときのこと、店長いわく 、「速いことはもちろんだけど、その安定感と言うのが際立っていて、他のギタリストの速弾きと較べると、例えばカローラで160キロ出しているのとフェラーリで160キロで走っているのとの違いかな、とにかく充分コントロールできていて、まだまだ余裕で踏み込める、と言う感じ」だったそうだが、まさにそれが眼前で繰り広げられている。
続く「Midnight Tango」ではスローな曲調ながら全編にわたってディ・メオラのギターがリードを取るため見せ場も充分だ。そしてReturn to Foreverの名曲「Medieval Overture」のイントロが流れ出すと会場は一気に沸き立ち、コントロールされたスピード感に酔いしれる。そしてサード・アルバム"Casino"からの「Egyptian Danza」のエキゾティックな雰囲気 のなかで繰り広げられるバンド・アンサンブルのタイトさといったら恐ろしいほどだ。がっちりと組んだまま加速していく様は見事と言う他あるまい。
そして最後を飾るのはアストル・ピアソラの曲 「Chiquilin de Bachin」。これは "Eddie Gomez, Billy Drummond, Yutaka Kobayashi featuring Al Di Meola"というメンバーで録音された"The NYC Session – Beautiful Love"というアルバムに収録された曲で、元は歌詞のある曲だがディ・メオラによってインストルメンタル曲に生まれ変わっている 。彼の曲と言われたら納得してしまいそうな、彼らしい演奏が繰り広げられた。
ちなみにこの日のステージは朝からすべてNHK FMで中継放送されていたのだが、このステージのみ直前になってディ・メオラから「自分がチェックしていない演奏を放送するのはよろしくない」との連絡が入り、急遽取りやめになってしまったとのこと。完璧主義者の彼らしいと言えばそう言えようが 、放送を楽しみにしていた人たちにとっては残念至極であった。
Members
アル・ディ・メオラ(g)、フィル・メガレインズ(key、Marimba)、エヴァン・ガー(vln)、ガンビ・オルティス(perc)、
エリアス・トナ(b)、ルイス・アリシア(ds)
SET LIST
1. One Night Last June
2. Flight Over Rio
3. Babylon
4. Midnight Tango
5. Adore
6. Medieval
7. Danza
8. Chiquilin
レポート:Tatsurou Ueda
リー・リトナー GUITAR SUMMIT with パット・マルティーノ、
デイヴ・グルーシン、デイヴ・ウェックル、 トム・ケネディ
「リー・リトナー ギターサミット」と題されたこのステージ。TOKYO JAZZ初参加のパット・マルティーノとの競演となったが、バンドメンバーも本当に豪華、超強力なバンドだった。「The Village」からスタートしたステージは、まずその洗練されたアンサンブルに聴き入ってしまう。
独特の軽やかなタッチでメロディー、そして縦横無尽にソロを奏でていくリー・リトナー、効果的に音色を選択しながら表現力豊かなプレイを聴かせるデイヴ・グルーシン、軽やかなリズムにあっても強靭なゆるぎなさを感じるデイヴ・ウェックル、そして抜群の安定感、テクニックで心地よいグルーヴを作り出すトム・ケネディー。特に「Stone Flower」のようなアップテンポの曲になるとこの強力なリズム隊が全体を支えているのをより強く感じる。「Stone Flower」ではウェックルの重量感がありながらも切れ味鋭いドラムソロ、そしてグルーシンのピアノを存分に鳴らしながらのソロが圧巻だった。
「Inside Out」から、いよいよパット・マルティーノが登場(リトナーはステージ袖に下がる)。超絶ギター、高速ギターと言われるマルティーノだが、一時、病気のため記憶を失い、ギターも忘れてしまったところから復活したというのだから、その精神力のすごさに驚くというか、信じられないような話だ。マルティーノのならではの、精緻でゆき届いた、均一性のある音色が心地よくメロディーを紡ぎだし、スピーディーなソロを展開していった。
「4 on 6」でリトナーが再びステージに戻り、この曲からツインギターとなった。2人のギタリストがユニゾンでテーマを奏でた「4 on 6」。リトナーがレスポールに持ち替えてロックフィーリングたっぷりのソロを披露した「Boss City」、この曲でのマルティーノとのソロの応酬は圧巻だった。感性で奏でていくリトナーと、音色を滑らかに積み重ねていくようなマルティーノ。「2人の名手のギター」を聴き比べる醍醐味を味わった。
ラストの「Impressions」まで、どこをとっても「聴きどころ」と言えるような素晴らしいステージだったが、メンバーが互いに触発されてより熱のこもったプレイを聴かせ、そうしながらも楽しそうに演奏している姿が印象的だった。
Members:
リー・リトナー(g)、パット・マルティーノ(g)、デイヴ・グルーシン(key)、デイヴ・ウェックル(ds)、トム・ケネディ(b)
SET LIST
1. The Village
2. Waltz for Carmen
3. Stone Flower
4. Inside out(Gt/P.Martino)
5. 4 on 6(Gt/L.Ritenour, P.Martino)
6. Boss City(Gt/L.Ritenour, P.Martino)
7. Impressions(Gt/L.Ritenour, P.Martino)
レポート:Asako Matsuzaka
画像提供:第16回 東京JAZZ
撮影:中嶌 英雄、岡 利恵子
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