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mini REPORT

Jimmy Scott & The Jazz Expoessions(2005.5.3)


Jimmy Scott & The Jazz Expressions

May 3, 2005 BLUE NOTE TOKYO 2nd Stage

Jimmy Scottを初めて生で聴いた。一度は聴いてみたいシンガーの一人だったが、やはりそのステージは感動的だった。リズム隊のタイトで締まったリズムワークが小気味良いインスト「The Great One」の後、熱狂的な歓声に迎えられて、小柄な体全体でリズムをとりながらJimmyが登場。その高齢からは想像のつかない、リンとした力強いボーカルだ。なんというか、彼が発声すると空気が一瞬止まるような感じ。最初の曲「All Of Me」「But Beautiful」と、ゆっくりとしたテンポで、一言一言、じっくりと語るように歌い上げていった。「But Beautiful」では、アーロン・グレイヴズが星を散りばめたように美しいピアノソロを披露した。3曲目はビリー・ホリデーのためのバラッドをJimmy Scottヴァージョンで歌った「I Got It Bad」。これもゆったりとした曲で、クリアな発音や存在感のある高音の響きがより印象的。歌うとか、語るとか、といった概念を越えた芸術的な表現。ソプラノサックスの柔らかい音色で伸びやかに奏でられた。

軽快なリフにのった「Pennies From Heaven」を場内の手拍子とともに歌い上げたあと、再び、バンドのみの演奏となった。Jimmyが疲れないようにとの配慮もあってか、この日インストゥルメンタルが3曲入ったが、この演奏がまた聴き応えたっぷりだった。メンバーたちは(始る前は落ち着いた雰囲気のバンドを予想していたのだが)、比較的若手で、演奏もアグレッシブ。バンドマスターであるヒラード・グリーンはウッド・ベースを三味線のように響かせてみたり、ラテンのリズムのった情熱的なナンバーがあったりと、それぞれで各人のオリジナリティーとテクニックを存分に聞かせていた。

インストの後、再びJimmyがステージに戻り、メランコリックは「」へと続く。深い感動を呼ぶ、哀しいバラード。切々としたボーカルが心に沁み、ソウルフルな絶唱に心を打たれる。バンドの音には無駄な音がない。シンプルな音構成で音の空間が作られ、Jimmyのボーカルがよりいっそうくっきりと浮かび上がるのを感じた。

ラストナンバーは、前曲のエンディングからそのまま軽快に展開した「」。それまで座って歌っていたJimmyも最後に立ち上がり、ギター弾くまねなどして軽快に踊って見せる。最後までリズミカルな手拍子にのった、楽しいエンディングだった。オーディエンス、バンドメンバー、そして多くのミュージシャンたちに尊敬され、愛されているJimmy Scottという偉大なシンガーに、いつまでも元気で歌い続けてほしい、と願わずにはいられない。

Musisians:
ジミー・スコット / Jimmy Scott (Vocal)
T.K. ブルー / T. K. Blue(Sax, Fl)
アーロン・グレイヴズ / Aaron Graves(Piano)
ヒラード・グリーン / Hillard Greene(Bass)
ドウェイン"クック"ブロードナックス / Dwayne "Cook" Broadnax(Drums)

Set List)
The Great One
Blues for Siboney

All Of Me
But Beautiful
I Got It Bad
Pennies From Heaven

A Single Teat Of Rememberance (T.K. Blue)

Sometimes I Feel Like A Motherless Child
I Cried For You

Report by Asako Matsuzaka
Many thanks to BLUE NOTE TOKYO



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