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Concert Report: 2014 SAITO KINEN FESTIVAL MATSUMOTO / SAITO KINEN FESTIVAL MATSUMOTO GIG


CONCERT REPORT


2014 サイトウ・キネン・フェスティバル松本
サイトウ・キネン・フェスティバル松本Gig
2014年9月6日
6th September 2014


Official Site: www.saito-kinen.com

2014 サイトウ・キネン・フェスティバル松本 オーケストラ・コンサートのレポートはこちら










フェスティバル最終公演は、ジャズトリオやバレエダンサーとコラボレーションしたGig。すでに会場前では地ワイン、地酒、地ビールなどがふんだんに振る舞われ、最終日のGigならではのリラックスした雰囲気に包まれていた。


ステージはディエゴ・マテウス指揮の「ロメオとジュリエット」で幕を開ける。プロコフィエフならではの透明感のあるハーモニーに包まれ、バレエの情景が目に浮かぶようである。



続いて(本日、筆者が個人的に最も注目したプログラム)、バレエダンサーの二山 治雄を迎えてのモーツアルト「ディヴェルティメント」。ローザンヌ優勝のニュースを聞いた時から一度、観てみたかった若手ダンサーである。彼が松本市在住であったことから、この夢の共演が実現した。二山はメヌエットの優美な調べにのって軽やかに舞う。もって生まれた気品が備わったダンサーで、その踊りはしなやかさとともに、パ(ステップ)、ピルエット、ジュデ・・・それぞれのテクニックがとても安定していて、本当に将来が楽しみなダンサーである。指揮をする小澤征爾は本当に楽しそうで、今回の共演を心から喜んでいるのを感じた。





ラスト、フェスティバルの締めくくりは、マーカス・ロバーツ・トリオとの「ラプソディー・イン・ブルー」。リラックスしたなかで、ジャジーなガーシュインを堪能した。緩急のバランス見事なオーケストラと、そのなかで展開される、ドビュッシーやラヴェルを彷彿させるような独特な世界観のピアノソロが印象的であった。


拍手はいつまでも鳴りやまず、出演した全員が何度もステージに登場して観客のアンコールに応えていた。このフェスティバルは来年から新たに「SEIJI OZAWA MATSUMOTO FESTIVAL」となる。ステージ上に「SEIJI OZAWA MATSUMOTO FESTIVAL 2015」のロゴが浮かび上がると、さらに大きく拍手が鳴り響いていた。


サイトウ・キネン・フェスティバル松本は、最高峰の芸術を堪能できるだけでなく、フェスティバルを支えている方々の温かさにも触れ合うことができる、素晴らしいイベントである。地元の特産やお花などのプレゼントもうれしかったが、なにより、ちょっとした心遣いに感動した数日間であった。





プログラム)

プロコフィエフ: 「ロメオとジュリエット」組曲より
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K334(320b)より 第3章 メヌエット
ガーシュウィン: ラプソディー・イン・ブルー



演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ


   マーカス・ロバーツ・トリオ
    ピアノ:マーカス・ロバーツ
    ベース:ロドニー・ジョーダン
    ドラムス:ジェイソン・マルサリス
指揮:小澤 征爾(モーツァルト、ガーシュウィン)
   ディエゴ・マテウス(プロコフィエフ)
特別出演:二山 治雄(白鳥バレエ学園)



レポート:松坂 麻子
撮影:大窪 道治(プロコフィエフ)、山田 毅(モーツァルト、ガーシュウィン)


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