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LIVE REPORT

Gentle Hearts 2004 Tour
- 櫻井哲夫 Withグレッグ・ハウ、デニス・チェンバース、小野塚晃 -

5th September 2004 -2nd Stage- at Motion Blue yokohama


スーパープレイヤー夢の共演!あまりにすごく、凄まじく、そして美しい、怒涛のアンサンブル。

  

(左より、デニス・チェンバース、櫻井哲夫、グレッグ・ハウ)


Message from Musicians
メンバーの皆さんからコメントをいただきました

この日、Motion Blue yokohamaのドアを開けたとたん、どこまでもクリアに伸びるギターサウンド、そして怒涛のように鳴り響くデニスのドラミングに包まれた。The Invisible Wayの山場である。事情があって到着が遅れてしまったのだが、クライマックスの音の中に飛びこんだ瞬間、なんとも言えない感動があった。

とにかく「すごい!」。櫻井の繰り出すエッジの効いたビートと、ざっくりと気持ちよく刻む小野塚のバッキングが疾走間をあおる。エンディングへと向かうグレッグの凄まじいギターソロは聴き応えたっぷり。

MCを挟んで演奏されたのはグレッグの新譜「Extraction」にもはいっている名曲Proto Cosmos。グレッグのギターが、本当に面白いように縦横無尽に駆け巡る。この人のギターは、ものすごい超絶技巧で弾きまくっていても、クリアでぬけの良い美しい音色が印象的だ。小野塚のエレピソロもまた見事。演奏を聞くたびにテクニック、センスともに秀でたプレイヤーであると感じる。

スピーディーに展開されたProto Cosmosの後は、櫻井とデニスのデュオ、Fine Waterである。ラテン系のリズムにのって櫻井のベースが自在に踊る。櫻井独特の、キレのよいベースサウンドでビート感を出し、ギター奏法のような細やかなテクニックも織り込みながら柔らかなタッチでメロディを奏でる。ドラムスとベースが絶妙のタイミングでキメを入れていく中、嵐のように叩きまくるデニスのドラミングに、歓声があがっていた。

再びメンバー全員がステージに戻り、ジャコ・パストリアスのPunk Jazz へと進む。なんともいえない"まったりとしたテンポ"の上で、透明感のあるストリングが響く。まずグレッグのクリーントーンの美しさに魅せられる。曲は一転、スピードにのって全員がユニゾン演奏。櫻井はジャコパスさながらのフィンガリングで聴かせる。曲はテンポチェンジし、ふたたびまったりと・・・不協和音ギリギリのコード感とこのテンポが相まって若干常軌を逸した感覚すら感じる。その中で凄まじい勢いで弾きまくるグレッグのソロは圧巻であった。

イントロで軽やかなギターパッセージから始り、美しいアルペジオへと展開した「Extraction」。表現の幅の広い多才なギタリストである。静かなアルペジオのあと、いきなり高みに上るようなギターサウンド、そして次々と繰り出されるパッセージは、ほとんど言葉を失うほどである。とにかく、「言葉で表現できないほど美しく、そしてパワーを持った音色」と感じた。そしてグレッグのソロ後、デニスのストロークに煽られるように今度はバンド全体がヒートアップしてくる。アップテンポの中、繰り広げられる各自のソロの応酬はもう最高!全てを圧倒した。

Extractionの熱を静めるようにGentle Heartsが流れる。グレッグの刻むバッキングのうえで櫻井が心地よいメロディーを奏でていく。一音一音が心に染み入るような、まさにGnetle Heartsを感じる曲。

この日のラストナンバーはBrain Storm。「安全なテンポだった1st Stageよりも速く、という櫻井のリクエストを受けての演奏」、とあって、イントロから(思わず笑ってしまうほどの)高速テンポ。凄まじい勢いのベースに続いてギターが響き渡る。もちろんデニスは怒涛のよう。若干、落ち着き気味のミドルテンポを挟みながら、高速展開するベース・ギター・ドラムソロ・・・。絶妙のブレイク、テンポチェンジを繰り返した後、満を持したかのような櫻井のベースソロへと突入。あらゆるテクニック、フレーズを駆使したソロワークはもの凄い迫力だった。

怒涛の本編の後、アンコールで演奏されたのは、Wonderland In The Sky。これもスタートからクリアなギターサウンドが気持ちよく伸びる、疾走間のあるフュージョンナンバー。グレッグの自在なギターワークが冴える。そしてドラムソロではデニスの自在なストロークにキメのフレーズが被さっていく。いつも思うのだが、彼のドラミングはまるで戦車が突進してくるかのようなパワーと迫力を持ちながら、あくまでもスピーディでシャープ。唯一無二のプレイヤーだ。ドラムソロの後、今度は櫻井がメロディアスなラインを活かしたソロを展開、さらに小野塚がエレピで独特の世界を描く。その後、まるで終ることのないような重厚なアンサンブルは、さらに硬度を増すように一気にエンディングへと向かった。

まさにスーパープレイヤーたちの夢の共演。最初から「すごい」ばかりで申し訳ないのだが、とにかく"ものすごいサウンド"だった。このツアーはライブレコーディングされ、当日はDVDも回されていたという。聞き逃してしまった1.5曲は、CDかDVDでぜひとも聴いてみたいと思う。そして再びこのメンバーでのライブを行ってほしいと心から願う。


Musicians:

櫻井哲夫 Tetsuo Sakurai: Bass
使用機材)
BASS: FODERA EMPEROR 6strings / YAMAHA TRB S2 6Strings Fretless / SADOWSKY TOKYO RA 4Strings Fretless
BASS AMP: WALTERWOODS 800W
SPEAKER: EPIFANI 112
EFECTERS: CUSTOM AUDIO RS616 SYSTEM / V-COMP / AKI INTELLIPHASE P1 / TENUTO
EBS BASSIQ / BOSS DD20 / BUDDA Phatbass / LINE6 DL4

グレッグ・ハウ Greg Howe: Guitar
メイン使用機材)
Custom ESP, Marshall JCM 2000

デニス・チェンバース Dennis Chambers: Drums

小野塚晃 Akira Onozuka: Keyboards
メイン使用機材)
YAMAHA MOTIF ES 8, YAMAHA SY-99



Set List:
1. Samurai Faith(Gentle Hearts / T.Sakurai) Written by T.Sakurai
2. The Invisible Way(Gentle Hearts / T.Sakurai) Written by T.Sakurai
3. Proto Cosmos(Extraction / G. Howe) Music by A. Pusqua
4. Firewater (JADE/JIMSAKU or TLM20/TETSUO SAKURAI) written by Tetsuo Sakurai
5. Punk Jazz (Gentle Hearts / T.Sakurai) Written J. Pastorius
6. Extraction (Extraction / G. Howe) Music by G. Howe
7. Gentle Hearts(Gentle Hearts / T.Sakurai) Written by T.Sakurai
8. Brain Storm(Gentle Hearts / T.Sakurai) Written by T.Sakurai

Encore) Wonderland In The Sky(Gentle Hearts) Written by T.Sakurai

()内:左、アルバムタイトル、右、アーティスト

Report by Asako Matsuzaka
Special Thanks to Motion Blue yokohama
and Gentle Hearts


Message from Musicians

※メンバーの皆さんからコメントをいただきました

櫻井哲夫
今回のツアー、とても楽しかったです。何だか毎回違うのですが、みんな良い感じに混ざり合って毎日がとても新鮮でした。みんな人の演奏を良く聞いているので、全員と会話ができている感じが最高でした。デニスとグレッグはもちろん、小野塚君も彼らに負けず素晴らしかったです。私はメンバー全員が生き生きしているセッションが好きなので、そういった点でも絶妙なバランスだったと思います。また、自分の楽曲だけではなく、グレッグのレパートリーも演奏したことによって、バラエティーに富んだ内容になった気がします。素晴らしいライブを終えることが出来たことを、忙しいスケジュールを調整して来日してくれたデニス、グレッグ、そして、サポートとは名ばかりの小野塚君に大感謝です。そして、会場に聴きに来ていただいた皆さん、どうもありがとうございました!!


小野塚晃
凄いミュージシャン達&凄い曲&CD、DVD収録ということで、櫻井さんからこのツアーの話を頂いた時は少々不安もあったのですが、そんな心配もどこかへ吹き飛んでしまう程非常に楽しく、中身の濃いツアーでした。何はともあれ櫻井さんお疲れさま!CD、DVDで皆さん楽しんで下さいね。



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