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LIVE REPORT

Nile Rodgers & CHIC
16 April 2003 - 2nd Stage at Blue Note Tokyo


最高に楽しいディスコ&ダンスパーティ!
本場、本物のエンターテインメントを体験させてくれた"Nile Rodgers & CHIC"


熱狂的な観客に迎えられたNile Rodgers & CHIC。「Ooooooh, freak out!」のかけ声で一気にローラーコースターで駆け下りるかのような勢いを見せた"Le Freak"、そしてパーカッションのリズムも見事な"Dance, Dance, Dance"と続き、Blue Note Tokyoはアッと言う間にお洒落なディスコに様変わり。とにかく最高に楽しい大ディスコ&ダンス・パーティが幕を開けた。

"Le Freak"では、2人だけのホーンセクション(カート・ラム&ビル・ホロマン)とキーボードのリチャード・ヒルトンが分厚いホーン・アンサンブルを聴かせ、"Dance, Dance, Dance"では、チェリー・ミッチェルがパーカッシヴなピアノソロを鮮やかに決める。そして最高にファンキーで切れの良いナイル・ロジャースのカッティングはもちろん健在。ファンクの王道とも言えるカッティング中心のギターソロを披露した。そしてこの曲で、CHICが基本的には、Gt+Dr+Bsのバンドであることを改めて認識。

ノリのよいダンスナンバー2曲が続いた後は"I want your love"。シルバー・ロ−ガン・シャープが伸びのよいハスキーヴォイスで熱唱する。ギター、ピアノ、キーボードが緻密なアンサンブルを作り、ブラス・セクションは抑揚のあるフレージングを聴かせる。途中、ベースのジェリー・バーンズとナイルのリズムコンビネーションは聴き応えたっぷり。
シンプルなDr&Bsの曲でありながら和音の構成がしっかりしており、それが曲に表情をつけるとともにポリリズミックな瞬間が聴こえるのは驚きである。そして中間部のギターとドラムスの絡みにピアノが被さり、ボーカルにつなげて行くあたりはさすが。

"I want your love"をじっくりと聴いた後は、"Get up and dance!"の声で始まる"Everybody dance"はイントロ、ヴォーカル2人のコーラスが効果的。ディスコ・クラシックと言うべき曲ながらベース、ピアノ、キーボードストリングス、スラップベースと短いソロをつなげてゆく構成が楽しい。特にジェリー・バーンズのスラップベースソロは響きのよい低音で迫力満点。

"Everybody dance"で総立ちになった会場はもう完全なディスコ状態!そのままテンポよくダイアナ・ロス・メドレーへと続く。あまりにも有名な"I'm Comin' Out""Up Side Down"と続く。"I'm Comin' Out"では、ジェシカ・ワグナーがリードをとる。シルバーとは対照的な甘い魅惑のあるヴォイスで、どことなくダイアナロスの雰囲気を感じる。どの曲も'定番曲'なのだがフレッシュにはじけて聴こえる。短いながらも渾身のプレイのサックス、ビル・ホロマン。そして叩くより踊っていたいとばかりに前に飛び出したパーカッショニスト、ジェラルド・ベレスのダンスが最高。

"At last I'm free"はソフト・マシーンのオリジナルドラマーだったロバート・ワイアットがカバーしたことでジャズロックファンにも知られるようになった名曲。じっくりと聴かせるバラード。シルバーがインパクトの強いハスキーヴォイスで堂々と歌い上げる。途中、ナイルのカッティングとヴォーカルの掛け合いからギターソロへと続くあたりは実に心憎い。オマー・ハキムのツボを押さえた、渋いドラミングが印象的。

"Chic Cheer"は、「It's time to get funky」のアナウンスで始まるメンバー紹介&インストゥルメンタル大会。一人一人、丁寧にメンバーを紹介していくのだが、ナイルのMCはとてもゆっくりと、わかりやすい英語で話してくれる。本当にうれしい心遣いだ。途中、NYヤンキース・・・Matsui !」でさらに盛り上がった。

メンバー紹介とともに演奏されるソロパートは短いながら、どのメンバーもサスガと思わせるプレイの連続。ボーカルの二人がステージを降りて「Chic, Chic」とスキャットで合いの手を入れてくるもの面白い。リチャード・ヒルトンのエレピソロはセンスのよいフレーズを重ね、ほんの一瞬であったが凄まじいまでの突進するようなプレイのオマー・ハキム。ベースは客席テーブルに乗っての熱演し、ナイルを中心にしたベース+リズムセクションのリズムバトルは見事であった。

ヴォーカル2人がステージに戻って演奏されたパーカッシブなダンス・チューン"My Forbidden Lover"の後は、ラストナンバー、お待ちかねの"We Are Family"。ナイル・ロジャースの名を世界に知らしめた曲であり、彼が主宰する児童福祉のための活動団体の名前でもある(http://www.wearefamilyfoundation.org)。まるでディスコ映画の1シーンの中に入ってしまったかのようで、熱くゴキゲンなグルーヴ感に包まれ、より全体の興奮度が増す。
この曲の始まる前、観客が自由にバンドの写真を撮ることができるサービスタイムがあった。それぞれに携帯付きカメラで記念のショットを納めていたが、なかなか心憎い演出だった。

アンコールの"Good Times"までノンストップ、まさに本場、本物のエンターテインメントを体験させてくれた"Nile Rodgers & CHIC"。名実ともに最高のエンターテイナーであるナイル・ロジャースと実力者ぞろいのメンバーたち、彼らとともに大いに楽しみ、踊り、エキサイトした一夜であった。

Members:
Nile Rodgers(Producer, Gt, Vo)
Curt Ramm(Tp)
Bill Holloman(Tp, Sax)
Richard Hilton(Key)
Jerry Barnes(B)
Omar Hakim(ds),
Gerardo Velez(Per)
Sylver Logan Sharp(Vo)
Jessica Wagner(Vo)
Cheri Mitchel(Key, Back Vo)

<Set List>
1. Le Freak
2. Dance, Dance, Dance
3. I Want Your Love
4. Everybody Dance
5. Diana Ross Medley -I'm Coming Out, Up Side Down, He's The Greatest Dancer
6. At Last I Am Free
7. CHIC Cheer
8. My Forbidden Lover
9. We Are Family

Enc) Good Times

Report by Asako Matsuzaka, Tatsurou Ueda
Edit t by Asako Matsuzaka

Many thanks to Blue Note Tokyo


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