LIVE
REPORT
大高清美 CD発売記念 LIVE
スタートからエンディングまでノンストップ!
実力派メンバー達が"三つに組み"、爆裂し続けたオルガントリオライブ
"アルバム発売記念ライブ" 9th April 2002 at
Roppongi
PIT INN
Member: 大高清美(Organ), 岡田治郎(Bass), 村石雅行(Drums)
大高清美オフィシャルサイト:
http://www.uprize.jp/kiyomi
岡田治郎オフィシャルサイト
http://www.hi-ho.ne.jp/~midopi/jiro.htm
昨年12月、ゲイリー・ウィリス、デイブ・ウェックルを迎えての4作目「Out Of Sight」を発表した大高清美。この日のライブはアルバム発売ライブツアーの初日。今回は岡田治郎と村石雅行とのオルガントリオである。とにかくスタートの「#26」からアンコールまで、パワー全快でとばしまくった。
大高清美(Organ) |
「#26」はキレの良いシャープなリフが印象的なスリリングで疾走感あふれる曲。この日、大高はRoland VK-77+レスリーを使用していたが、これが音がよい!正直、VKがこんなに良く鳴るとは驚きであった。VKとレスリーは相性がよいらしい。とにかくこの良く鳴る「太く丸みのある音」で、のびのびとダイナミックにプレイする大高の姿と最初から印象に残った。
大高のソロを終えたあたりからバンド全体が勢いづき、2曲目「Commodore Funk」に突入。大高が全身を使って迫力満点に超絶技巧を披露すれば岡田も複雑なパッセージを繰り出す。まさに「ポリリズムの饗宴」といった趣の曲。大高と岡田がかもし出すリズムに乗って、村石が、これまたテクニック満載で存分に暴れてくれた。
3曲目「Departure」に入っても、バンドの勢いは止まらない。大高のプレイはより集中を増し、村石はドラムソロで多彩なヴァリエーションを聴かせる。このトリオでは、"ワキ"に回るメンバーはいない。3人が思う存分プレイしながら見事なアンサンブルを聴かせている。
3曲勢い良く飛ばした後は「Like a sandglass」。ホイールオルガンが静かに流れた。柔らかいオルガンの音色に包まれる中、岡田が情感をこめてメロディーを奏でる。倍音が美しく効果的に響き、オルガンならではの"音色の妙"を楽しんだ。
ファーストセット、ラストは「Ambition」。ガリガリしたオルガンのリフに続いて、スピード感あふれるハードなテーマが展開される。岡田の流れるようなソロプレイが印象的。そしてラスト、村石のドラミングが炸裂してエンディング。
岡田治郎(Bass) | 村石雅行(Drums) |
セカンドセット、初めの2曲は大高&村石のデュオ(というよりバトル!)でスタート。大高が巧みにベースペダルを奏する。「Kid's Door」はアップテンプに乗って、物凄いプレイの応酬。「22」はオルガンベース特有の持続感あるグルーブを楽しみながら2人の縦横無尽なプレイを満喫した。
レコーディングエピソードを盛り込んだMCで和んだの後は、「Still Moment」。アルバム収録の時より、やや重めのリズムでしっかりと演奏された。個人的にはサラッとした軽妙なタッチを期待していたため、少し残念な感が残った。
4曲目「9 p.m. Cruise」。イントロ・・・静けさの中で、岡田が抑揚のあるメロディーをしっとりと聴かせる。大高は1音1音を楽しむかのように軽妙なフレーズを重ねていく。まるでベースとオルガンが会話しているようであった。
そしてセカンドセット、ラスト「Cool Duck」。再びバンドが勢いづく。大高のプレイは堂々としていて本当にすがすがしい。そして圧巻だったのは村石の凄まじいばかりのドラムソロ。パワフル&テクニカルなプレイに圧倒された。
スタートからアンコール「Open Transport」まで、まさにノンストップ!メンバー3人が"三つ"に組んでの技巧&迫力満点のプレイを堪能するとともに、胸をすくようなオルガンの音色にあらためて感動・・・「オルガンはいいなあ」とその魅力をあらためて感じたライブであった。
---- SET LIST --
1st set
1. #26
2. Commodore Funk
3. Departure
4. Like a sandglass
5. Ambition
2nd set
1. Kid's Door
2. 22
3. Still Moment
4. 9 p.m. Cruise
5. Cool Duck
Enc. Open Transport
---------------
Report & Photos by A.Matsuzaka