<Home> <Info. from Artists>

LIVE REPORT

清水秀子ライブ

4人のアーティストが全てにおいて対等で自由にプレイ。見事なアンサンブルを聴かせる・・・

18th Nov. 2001 at SOMETIME


Member: 清水秀子(Vocal)、大徳俊幸(Piano)、 斎藤誠(Bass)、 関根秀雄(Drums)


この日のSOMETIMEは各フロアともほぼ満席。思い思いに食事やお酒を楽しむ、くつろいだ雰囲気の中でファーストセットがスタートした。


1st Set...

まずはトリオで「In your own sweet way」「What's a difference a day made」が演奏されたのだが、これは聴き応えがあった。よくありがちなヴォーカリストを迎えるまえの"軽く流すような"演奏ではなく、集中した熱いインプロヴィゼイションが展開された。特に「In your own sweet way」では、果敢に攻め立てるような関根のプレイが素晴らしかった。

トリオ演奏の後、清水秀子が登場、まず「Late, Late, Show」を軽快に楽しく聴かせる。ここでも関根はキレのあるドラムソロを披露。「My Cherie Amour」ではポップなメロディーラインを独特の深みのあるヴォイスで、ゆったりと歌う。空間に広がるような大徳のピアノソロが美しい。そして「My Funny Valentine」。清水のボーカルと豊かに響く斎藤のべースが深い感動を呼んだ。斎藤のアルコ・ソロはチェロを思わせるような美しいラインを奏でた。

続くアップテンポな「The Lady Is Tramp」の後は、ブルースフィーリングあふれる「Girl Talk」。清水は語りかけるように歌い、大徳もブルージーなソロを展開。そしてファーストセット、ラストは「Let's Fall In Love」。明るく楽しい雰囲気で締めくくった。

Set List:

1. In Your Own Sweet Way (TRIO)
2. What's A Difference A Day(TRIO)
3. Late, Late, Show
4. My Cherie Amour
5. My Funny Valentine
6. The Lady Is Tramp
7. Girl Talk
8. Let's Fall In Love

 

(写真上、左 関根秀雄 Ds, 右 清水秀子 Vo)
(写真下、左 斎藤誠 Bs, 右 大徳俊幸 Pf)



2nd Set…

このセットも「Along Came Betty」「Norwegian Wood」 をトリオで演奏。3人が自由自在にプレイしながら、それでいて息はピッタリと合っている。「Along Came Betty」では、大徳が軽やかなテーマを奏で、斎藤は大胆なインプロヴィゼイションを展開。そして「Norwrgidn Wood」は凄かった。まずイントロ、斎藤がアルコ奏法で弦を豊かに響かせ、大徳がドビュッシーを思わせるような美しいパッセージを奏でる。その後徐々にテンポアップし、全員のボルテージが上がっていく。大徳はソロでも多彩なインプロヴィゼイションを聴かせ、関根は切り込み鋭いドラムソロで圧倒した。

「I Remember You」の後は、ノリの良いラテン「No More Blues」大徳が小気味良いソロを聴かせる。「Island」では、美しいピアノのパッセージに合わせて歌い上げる清水のヴォーカルは胸に迫った。

テンポ良くノッた「A Lot Of Living To Do」。斎藤のドライブ感あふれるベースラインとソロパートでの見事なパッセージが印象的。続く「For All We Know」はゆったりとしたピアノとベースに乗ったヴォーカルが強く心に響いた。そしてセカンドセットを締めくくるのはゴキゲンな「I've Got The World On A String」。自由奔放なプレイの大徳、最高のポイントでヒットさせていく関根、最高のテクニック、フレーズを聴かせた斎藤・・・と各自のソロも素晴らしく、とにかく楽しい一曲だった。


Set List:

1. Along Came Betty (TRIO)
2. Norwegian Wood (TRIO)
3. I Remember You
4. No More Blues
5. Island
6. A Lot Of Living To Do
7. For All We Know
8. I've Got The World On A String

3rd Set…

このセットのトリオ演奏は、とうとうとしたアルコ奏法によるベースラインが印象的な「And I Love Her」から。アップテンポで展開する「Seven Steps To Heaven」では大徳が縦横無尽なパッセージを聴かせ、全体が早くもヒートアップした。

さりげなく語りかけるように始まった「Day By Day」。「Invitation」では4人が全く対等、自在なプレイを展開、それが見事に1つの空間を築き上げる。この曲では斎藤が口笛も披露。

ほっとするような旋律の「Melody Maker」では、清水がやさしく丁寧に歌いあげ、テンポに乗った「I Get A Kick Out Of You」では大徳がユニークなフレーズを繰り出す。

「I Get A Kick Out Of You」の熱を静めるような「God Bless' The Child」。静かな流れの中にもしっかりと伝わるメッセージがある。いよいよ、この日のラストソングは軽快な「It's A Pitty To Say Good-Night」。さわやかな"Good-Night"を聴いて、心地よい満足感の中で家路につけそうだ。


Set List:

1. And I Love Her (TRIO)
2. Seven Steps To Heaven (TRIO)
3. Day By Day
4. Invitation
5. Melody Maker
6. L Get A Kick Out Of You
7. God Bless' The Child
8. It's A Pitty To Say Good-Night


このバンドは、決して"ヴォーカルとバックバンド"ではない。各4人が全てにおいて対等で自由にプレイし、その上で見事なアンサンブルを聴かせる。そしてその中で自身の、"深く安らぎにと幸福感に満ちた世界"を築きあげ、周りを魅了していく・・・清水秀子のヴォーカリストとしての力量を感じた。

 

Report & Photos by A.Matsuzaka



Copyright (C) 2001-2002 Global Artist Network. All rights reserved.