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LIVE REPORT

VALIS LIVE Recording 2days

あざやかな色彩感、そして心地よい爽快感。実力者ぞろいのメンバー達によってかもし出されるアンサンブルは次から次へと表情を変え、オーディエンスを魅了した。

 


2001年9月14日 Blues Alley Japan

メンバーからのコメントはこちらをご覧ください

待ちに待ったライブレコーディングとあって、店内は立ち見がでる盛況ぶり。ライブレコーディング2日目とあって、メンバーはリラックスムードで観客のノリもバツグン。和気あいあいで盛り上がりながらレコーディングは進んだ。

布川が繊細なタッチで刻み、徐々に全員の音が結集していく。古川のわざと調子を外したようなメロディラインといい、リズミックに展開するこの「Ali's Dance」は、箱の中のおもちゃが一斉に飛び出すようなコミカルで楽しい曲。終盤では古川のシンセ、小池のサックスが早くも熱っぽいインプロヴィゼーションの応酬を展開。

続く「Silent Wall」は A.セナにささげた曲。サックスのメロディーが効いている。納、木村両者のリズムが気持ちよくグルーブする。このグルーブ感はさすがだ。布川のギターソロはあくまでも美しく、そして自然なラインを奏でる。さわやかな風を感じさせる一曲だ。

小池修(T.Sax, S.Sax) 布川俊樹(G)

 

思わず口ずさみたくなるようなリフのメロディが印象的な「Spring Deer〜鹿なく春〜」のあとは、"珠玉のバラード"「Quiet Sun」。布川の一音一音が心に響く。テナーサックスとギターがユニゾンでメロディを奏で、ゆったりとドラマチックに展開。

「Walkin' In The Landscape」。カルロスのパーカッションが心地よく響き、全編に渡って流れるリフのコード感が独特な、不思議な色合いを出す中、小池のサックスが光る。

ファーストセットラスト、「Beat Panic」その名のとおり、立ったビートではじまる。思わず体が動いてしまうビート感をたっぷりと味わう。指が縦横無尽に鍵盤の上を跳ねる古川のJazzyで"型破り"ソロを受けた布川のプレイもさらに激しさを増していった。

納浩一(B) 木村 万作(Ds)

より激しいリズムの「Orstrich Boogie」で幕を開けたセカンドセット。アップテンポで押し捲り、会場全体のボルテージも上がっていく。そして2曲目のブルース「The Bottom Of The World」は聴き応えがあった。布川のブルージーなソロ、深く響く納のベースに、魂が揺さぶられた。

「Hieroglyph」はギターとベースのユニゾンリフがカッコいい。ワウを効かせた布川のギターは効果万点で、より一層盛り上がったところでカルロスが存分に叩きまくる。一転して、哀愁のボサノバ「Green Mist」では古川のピアノをFeature。ピアノの音色が美しい哀愁漂うバラードだ。

いよいよ佳境へさしかかったところで、 激しいリズム「Chinese Mafia」。全体の盛り上がりも最好調。(こんな音をきかされたらたまらない!)サックスメロが強く響き、細かいキメが実に気持ちよく決まっていく。布川が歪んだギターサウンドで激しいソロを聴かせ、木村がバスドラを連打し、全体のボリュームが一気に上がる。

古川初穂(Key, Pf) カルロス菅野(perc)

 

この日のラストは「El Dorado」。カルロスのビート感あふれるパーカッションが心地よく響く。古川と布川が多彩インプロヴィゼイションを繰り広げた後、より疾走感を増して一気にフィニッシュ!

アンコール曲「Rainbow Valley 」は米国多発テロ事件の被害者に捧げられた。落ち着いた雰囲気、静かに淡々と曲が流れる中、メンバーたちの「思い」を感じた。そして、もう一曲「Rhythm Heat」は一転して明るく軽快な曲。ここでの納のベースソロは見事!最後まで拍手と歓声で盛り上がった。

この日のライブは来年1月23日に日本クラウンより発売される予定である(さらに同日には廃盤となっていたVALISファースト・アルバム『VALIS/布川俊樹』もリマスターされて同社より再発される予定)。最高のテンション、最高のクオリティ!「もう一度聴いてみたい」と思わずにはいられない素晴らしい演奏だった。今からCD発売が楽しみである。

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SET LIST

1st Set)

1. Ali's Dance ***
2. Silent Wall
3. Spring Deer
4. Quiet Sun
5. Walkin' In The Landscape
6. Beat Panic*

2nd Set)

1. Orstrich Boogie ++
2. The Bottom Of The World +
3. Hieroglyph
4. Green Mist
5. Chinese Mafia *
6.El Dorado **

Encore)
1. Rainbow Valley **
2. Rhythm Heat **

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notes)

* 『VALIS/布川俊樹VALIS』より
** 『アンダー・コンストラクション/布川俊樹VALIS』より
***『アリズ・ダンス/布川俊樹VALIS』より
+『ディパーチャー/布川俊樹』より
++ 『スーパー・ギタリスツ/V.A.(布川俊樹グループ)』より

上記以外はCD未収録曲
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From members
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本番前、メンバーのみなさんから今回のライブレコーディングについてのコメントをいただきました!

布川俊樹
: 今回のレコーディングをする理由としては、すごく長くやっているバンドだということもあり、「ライブで活きのいい感じの音が録りたい」「一期一会の演奏をしよう」と思うようになったからです。とにかくライブレコーディングはお客さんの力も借りて一緒に盛り上がれればいいな、と思っています。

古川初穂: はっつあんですけど・・・「間違いを気にせず、ガンガンと行きたい」と思っています。

木村万作: 昨日はちょっと固かったんで、今日は演奏を楽しみたいと、それに集中しようと思っています。

カルロス菅野: はっつあんの次に古いメンバーで、もう15年もやっているから、「何も考えないで演奏できる」はずなんですが、レコーディングになるといろいろと大変で・・・まあ、楽しく盛り上がろうと思っています。

納浩一: 時代も暗いですけど、パッと明るくなるような気合の入った演奏で、まあ、目標としてはノーミスで・・・(笑)、しかもバーニングな演奏をしたいと、今日の目標はジェントルソウツ、キャプテンフィンガーです!(笑)

小池修: 僕は一番新参者なんですが、皆さんの歴史のある力を借りて、がんばりたいと思います。

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Report & Phots by A.Matsuzaka


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