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Artist Press Vol. 15 和田アキラ / Akira Wada
和田アキラ インタビュー
「PRISM 40年の軌跡 vol. 1 premium 6 days」ライブ PHOTO レポート
機材紹介
他を圧倒する超絶技巧と 透明感のある美しいクリーントーン ロックスピリットあふれる プレイ スタイルで 聴く者を引き込んでいく・・・ |
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PRISM 40周年を迎えて
PRISM40周年はすごいですね。ここまで続けてきて思われることは?
バンドを続けていくには、「これをやるんだ」と言う意思が大事だよね。
そういう意味では、PRISMの場合は強い意思をもって続けていきたと思う。
間隔が空くことがあってもアルバムは出し続けているし、ライブもコンスタントにしてきたから。もちろん、その時々でいろいろな方向に行っていたりするけど・・・。
もともと、「インストでいろいろなことをやってみたい」という考えでできたバンドで、変化はしているけど、ベーシックなところではそれほど変わってはいないよ。
改めて、最近のサウンドを聴いて思うのは、変化というより進化している、ということです。よりグルーヴィーになって巾も広がったというか、サウンドとしての可能性を感じます。
進化してるか、と言われると、よくわからないけど、メンバーも変わって、それぞれがもっている個性がうまく融合されているのかもしれないね。サウンド的にどうしようとは、そんなに考えてないんだけど、自然に変わってきた感じだね。
ご自身のプレイは変わりましたか?
変わったんじゃない?特に変えようと思ったわけじゃないけど、これも自然に・・・
バンドの影響だけではないと思いますが、やはり和田さんのプレイも表現の巾が広がっているように感じます。
意識しているわけじゃないので、自分ではわからないけどね。
PRISM 名前の由来 初期のアルバムのプロデューサー 吉成さんがつけてくれた名前。 評論家でもあった人なのでバンドのことをよく考えてくれたうえで、透明感、光が変化するようなサウンドをイメージしてつけてくれました。 |
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アルバム「Celebrate」
PRISM デビュー40周年記念セルフカヴァーベストアルバム
それぞれの曲がこれまでと違った表情を見せてくれていて、とても聴きごたえがありました。ラテンフュージョンがあったりと、アレンジも面白かったですが、全体的なサウンドに広がりがでていて、その中でよりギターの音が際立って聴こえました。
これは自分の曲をPRISMメンバーで録り直したんだけど。アレンジも含めていろいろなアイデアを出し合いながら作っていった感じだね。
良い曲ばかりですね。曲作りはどんな感じでされるんですか?
曲作りは苦手だなあ・・・僕の場合、突然は出てこないから、弾きながら作っていくしかなくて、なかなか良いアイデアも浮かばないから、なんとかして作っていく感じ。
レコーディングの時もコードやベーシックなところだけ考えていってスタジオに入り、皆で仕上げていくので。
ジャケ写をイメージしたポストカード |
ルーツ
初めてロックを聴いたのは?
小学校4~5年の頃、姉がグループサウンズが好きだったので、その影響で・・・グループサウンズも好きだったんだよ。
最初に聴いた音楽で覚えているのは?
父親がクラシック好きでFMやオーディオを聴いていたから、それが自然に耳に入ってきたり・・・最初に聴いた音楽で覚えているのは讃美歌だよ。
ミッション系の学校だったので小学1年の時から讃美歌を毎日歌っていて。4年生の頃は歌がうまくて、音楽の授業の時にみんなの前で歌わされたり(笑)、その頃は声も良くてうまかったんじゃない?今は歌わないけどね。
あと母親も音楽をやっていて、NHKのラジオ番組で合唱団指導をしたり、音楽番組にすごく貢献したらしい。音楽に精通していて理解があったんだよね。
一番最初に聞いた音は? わからないなあ。記憶にあるのは音楽だから。 電車の音かな?電車の線路、、リズムがあるじゃない。その裏打ちとかを最初からしてたから。 |
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音楽以外の趣味は? 子供の頃は鉄道模型、モデルガン、あと野球がすごく好きでキャッチャーを目指してたよ。 あと音楽に関係するけど、1990年頃から電気効率を上げれば音色アップにつながるかな、と思って、AUDIOやギターのケーブルを自作したり、機材(ギター、エフェクター、スピーカーなど)の配線材を変えたり、手当たり次第にいじり倒してたよ。 2000年頃からは自作パソコン等にも興味をもち始めて秋葉原に良く通ったな。 最近は秋葉原も変わってしまったのであまり行かないけど。 |
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ギタープレイ
ギターは独学ですか?
そうだよ。ただ「練習するもの」じゃなくて、とにかく弾きたかったんだ。自分のやりたい曲をなんでもコピーして、グランド・ファンク・レイルロード、レッド・ツェエッぺリン、ディープ・パープル・・・自分で聴いていいと思ったものは全部・・・。
その頃 好きだったギタリストは?
グランド・ファンクのマーク・ファーナー、ジミー・ペイジ、リッチー・ブラックモア、もちろんアラン・ホールスワース、ジミヘンも。あとフリーのポール・コゾフ、ブラックサバスも好きだったね。
基本はロック?
もちろんロックだよ。そうだね。ショッキング・ブルーのヴィーナスなんかも弾いたけど、まあロックだね。とにかくコピーしたっていう感じ。
どんな練習をしていたのですか?
昔は教則本もないから、レコードをかけて一緒に弾くんだよ、指とかもさぐりながら。コードネームも、やりながらだんだんわかっていった感じで。
「自分が弾きたい曲をどうやって制覇していくか」ということだね。なかにはポジションが分かれば弾けると思っている人もいるけど、そうじゃないんだよね。リズムを意識したうえでフレーズを制覇していく。リズムがきちんととれていないと絶対に上手くならないから。
ジャストでカウントできたら理想だけどね。
速弾きと言われることについてはどう思いますか?
僕は速弾きじゃないから(笑)。他に速い人はたくさんいるから。最近は「速弾きで圧倒しよう」という気はないけど、30代の頃のプレイを聴くと本当に速かったね。Mother Earthとか、Uncoverdなんか、普通じゃ押さえられないようなフォームで無茶なことをしていたから・・・演奏中に手が攣るようなプレイをしてたね。
弾くときのこだわり、のようなものはありますか?
同じフレーズでも何通りかの弾き方があってフレーズの感じも変わってくる。スムーズに聴こえる方、場合によっては、あえて弾きにくい方で弾いたり・・・
聴こえ方を優先させるのですね?
弾きにくいから普通はあまりしない方法だけど、聴こえ方が違うんだ。たとえば「ドレミファソラシド」でも二方向あって、両方で弾けるようにしたり・・・ただ最近は効率が良い方法で弾いているかな?
指の動かし方、脱力と筋力のバランスは、どんな感じなのですか?
昔は速弾きする時も、一音一音、強く押さえながら弾いていたんだよ。今はそれほど力は入れていないんだけど、そのターニングポイントがどこだったかは覚えていなくて。力の入れ具合で音色も、全てが変わるんだけど・・・奏法を言葉にするのは難しいね。
目指していたプレイスタイルは?
プレイスタイルというか、目指していた人は アラン・ホールズワース。「あんな風に弾けたら良いな」と思って・・・音楽性やフレーズ、とにかくコードを弾いてもアドリブを弾いても素晴らしくて発想も凄い。ただ、何度か実際に見ても分からかったので「追いつく」なんて考えは、やめにしました。
暗 譜 今はなかなか覚えられないけど、 昔は本当に曲を覚えるのが速かったんだ。 松岡さんや深町さんと一緒に演奏する時も、譜面は使わずにその場で弾いてもらったのを聴いて、すぐにその場で覚えて弾いていたから。レコーディングの時もそうだったかな。 |
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音色へのこだわり
出したいと思っている音色は?
どうかな?歪んでいるけど、歪みすぎない感じかな?自分のなかで目指しているというか、弾きやすい音は明白にあるんだけど、ライブなど、その時々の機材などの条件で、目指す音を作るのは難しいことがあるね。歪む音が思ったような感じにならないと自由に弾けないし、ベストの状態までのチェックポイントが多いね。
クリーントーンはどうですか?とても伸びがよくて美しいと感じますが?
透明度が高い音を目指しているよ。クリーントーンで使っているエフェクターはコンプレッサー、コーラス、ディレイ、リバーブで、スピーカーからは出さずにラインで直接ミキサーに送ってるんだ。後ろのアンプはモニター用として置いてあるだけで。
機材についてはこちらをご覧ください。
あの独特の透明感のある音色は、そうやって出しているんですね。
今回は和田さんルーツかや演奏など、幅広いお話を伺えてとても興味深かったです。
PRISMの話に戻りますが、もうすぐ(8月下旬には)全国ツアーがあり、10月には記念ライブがありますね?
まず8月のツアーでは九州、四国、関西など10箇所のライブハウスを周り、記念ライブは10月21日、羽田空港内のホールで開催するんだけど、この日(10月21日)は「PRISM」という、昔からのPRISMファンの人たちが運営している会社が照明を担当するのでステージングとしても見応えがあると思う。DVD化もする予定なので、ぜひ観に来てください。
記念ライブ情報はこちら(PRISM Offichal site)
40周年を迎えたPRISMですが、これまで以上のパワーや可能性を感じます。
最後にファンの皆さんへのメッセ―ジをいただけますか?
いつもありがとうございます!PRISMはデビュー40周年を迎えたけど、急に何かが変わるわけではないので、今までのようにコツコツと、少しずつできることを増やしていければと思っています。これからもぜひ、応援してください!
これから、より一層のご活躍を期待しています。本日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。
ライブやレコーディングで忙しくされているなか、快く取材に応じていただきました。とても気さくな人柄で、終始、和やかな雰囲気で話していただきましたが、その中にあっても音楽やギターに対する真摯でストイックな姿勢が伝わってくるインタビューでした。(2017年8月)
インタビュー: Asako Matsuzaka
撮影(インタビュー): Glogal Artist Network
ライブ画像提供: Shiro Fukushima
Special thanks to Live Cafe Stormymonday, Jazz & Live Room Cortez
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