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Press Vol. 11> Feature: Robben Ford
ロベン・フォード
インタビュー
ライブレポート:Robben
Ford Live at Motion Blue yokohama
LIVE REPORT
ROBBEN
FORD
12 April 2003
at Motion
Blue yokohama
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雨模様の横浜、オールドタウンを包みこむブルージーグルーヴ。
「あらゆる音楽にブルースを感じる」と言うロベン・フォードならではの、今一番活きの良いコンテンポラリー・ブルース
満員の聴衆に迎えられてロベン・フォード、ニール・ラーセン、ジミー・ハスリップ、トム・ブレックラインの4人が登場。今回のバンドメンバーはロベン・フォードの昔からの親しい友人たちであり、もちろん実力もトップクラスの面々。グレードの高い、そして息の合った演奏が期待できると楽しみであった。
ライブはドラム&ベースのどっしりとしたリズムに乗った"Chevrolet"でスタート。ロベン・フォードのテレキャスターがカリカリと気持ちよく響く。ニール・ラーセンは細かくレスリーを操作。瑞々しいハモンドの音色が心地よく響いた。
2曲目は、「blue moon」からのナンバー"Up The Line"。弾むビートに乗って自然と体が動く。ロベンはギターをBaker(ロベン・フォード・モデル)に持ち替え、シカゴ・ブルースの典型的な、抜けの良い音でプレイ。トム・ブレックラインは8ビートのドライなビートを叩きながらシンバルで空間を作り、ジミー・ハスリップはドライブ感を保ったまま自由自在にメロディまで上がってくる。
MCの後はやはり「blue
moon」からのインスト・ナンバー"Indianola"。ロベンのギターはBB Kingの若い頃を思わせる最高のグルーブ感を生み出し、ソロも最高にイカしている。ニールのハモンドソロはスピーディに広がる展開で聴き応え十分。「ロックン・ロール」とはこのことなり。
ロベンとトムのコーラスが効果的だった"Don't Deny Your Love "。ロベンはワウペダルで変化をつけながらのギタープレイ。そしてコードバッキングでリズムをとりながら展開させていくあたりはバンドサウンドを心得ている。
Robben Ford(Gtr) | Tom Brechtlein (Drs) | |
Jimmy Haslip ( Bass) | Neil Larsen (Keys) |
"Tired Of Talkin'"はシャッフルビートのマディー・ウォータース調の曲。引きずりがちに弾くところもお手のもの。ニールがバックに回り、キャリアを感じさせるサポートを聴かせる。そしてこのバンドのグルーヴ感の「要」、ジミー・ハスリップ。ここでは表に出ないががっちりと土台を固めるステディな感じで骨太な音を作っている。
大盛り上がりの会場が静まり、落ち着いた雰囲気の"
Oasis"へと場面が変わる。この曲、ブルース・フュージョンとでも言うべきか?エレピがジャジーに奏でるうえでロベンが都会的なポップ感覚で歌う。彼のボーカルは一言一言がとてもクリアで、聴く者にしっかりと伝わってくる。
この曲は各自のソロプレイも聴き応えたっぷり。ロベンがボリュームペダルを効果的に使い空間的な広がりを意識したソロをプレイ。このあたりはキーボードとのオーケストレーションも楽しい。ニールはエレピできらびやかなソロを披露。
そしてベース、ジミーのソロは「いろいろと言いたい事がありそう・・」。ドラムスとの絡みも絶妙に、長い展開をスキャットとのユニゾンでつないでいく。抑揚のあるライン、丸みのある柔らかなタッチで軽々テクニカルなフレーズを奏でる。ジミーから受け、トムのドラムソロはダイナミックさと繊細さを兼ね備えている。そしてドラムソロにワウ・ギターが被さり、フリーフォームな感じを盛り上げる。バンドとしての絡み具合が実に面白い。
前曲のドラムソロをよりパワーアップしたような、トムの凄まじいドラミングで始まった"Help The Poor"。ツイン・ペダルの速いキックがフリージャズ的な曲展開を感じさせ、バンド全体のテンションがあがっていく。ロベンがなめらかなトーンで歌い、リズム展開をリードしながらのギターソロに全員がしっかりとかみ合う。曲が進むにつれ全体のボリュームも増し、よりエキサイトしていく。
"It Can't Make Sence"2ビートのスローなブルース。3拍子で刻むシンバルがいかにもオールドタイムなブルースの感じを醸し出している。夕暮れのシカゴの街並みが目に浮かぶようだ。ジミーの低くつぶやくようなベースラインにロベンのギターが乗り、誰かの物語を語っているような演奏である。そしてこの曲ではニールのハモンドが最高。絶妙なタイミングで入り、レスリーを自在に操りながら縦横無尽のプレイ。まさに名人芸のB3サウンドを堪能した。
そしてラストナンバーは"Supernatural "。ギターのリフで始まるアーバン・ブルースで、ハモンドとギターがソロを取り合うジャム的楽しさにあふれている。ここでもニールのハモンドはうなりを上げる。ロベンのコードとメロディを織り交ぜての緩急自在なソロはまさに圧巻で、シカゴ、ミシシッピー、ニューオーリンズと、ブルースギターのあらゆるスタイルを次々と繰り出してくる。次第にエキサイトするギターソロにハモンドが絡み、最高の盛り上がりのなかエンディングとなった。
この日のアンコールはへヴィー・ファンク"Beggining of the End"。ワウペダルを使ってのリフで始まる。ベースが重く引き摺り、地を這うようだ。ロベンが全身全霊をこめてソウルフルに歌い上げる。キーボードが曲のへヴィーさを持ち上げようとするが、時に浮き上がり時に沈み込むようなダイナミズムが交錯する中、またしても語りかけてくるギター・・・バンドの力量が際立つ演奏であった。
ブルース、ロックン・ロール、フュージョン、ファンク・・・どんな音楽にも情熱は同じくあるさ、と語るロベン・フォードならではの味わい豊かな、そして洗練されたブルースフィーリングを存分に堪能したステージであった。
<Set
List>
1. Chevrolet (Gr: Telecaster)
2. Up The Line (Gr: Baker)
3.
Indianola (Gr: Telecaster)
4. Don't Deny Your Love (Gr: Telecaster)
5. Tired
Of Talkin' (Gr: Telecaster)
6. Oasis (Gr: Telecaster)
7. Help The Poor (Gr:
Baker)
8. It Con't Make Sence (Gr: Telecaster)
9. Supernatural (Gr: Telecaster)
Enc)
Begining Of The End (Gr: Baker)
レポート:
Tatsuro Ueda, Asako Matsuzaka
撮影: Asako Matsuzaka
取材協力:Motion
Blue yokohama
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